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吉田健一の『食うために生きる』

吉田健一の『食うために生きる』

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 吉田 茂の長男、吉田健一は小説家であり、英文学の評論家・翻訳家だった。明治四十五年(一九一二年)生まれ。麻生太郎の母和子は妹にあたる。食通で健啖。食にまつわるエッセイも数多く残した。

〈我々は余り慾を出してはならないので、鰻丼の後で親子丼を食べてそれでもどことなくもの足りないから、鴨南蛮を一つ頼む程度の胃ならば、それで満足すべきである〉(「文藝春秋」昭和三十二年=一九五七年八月号「食うために生きる」より)

 写真は昭和三十一年(一九五六年)撮影。

 神田神保町にある洋食の老舗「ランチョン」の常連だったが、あるとき火事が起きたにもかかわらず、悠然とビールを飲んでいたというエピソードが残っている。一九七七年(昭和五十二年)没。

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