今でこそ芥川賞・直木賞の授賞式とそれに続くパーティは出版界の一大イベントとなったが、かつては気の置けないサロン的雰囲気の中で和気藹々と行われていたようだ。
写真は昭和三十六年(一九六一年)、「雁の寺」で第四十五回直木賞を受賞した水上 勉(中央)を祝う会場で懇談する江戸川乱歩(左)、松本清張(右)の三氏。水上氏は当時すでに月産千二百枚といわれる売れっ子の推理作家だったが、
〈受賞ときまった十八日の午後七時半ごろ、私は銀座の、これまでに行ったことのない、小さなバアの隅で水割りを呑んでいた。築地の銓衡会場から、うちへ電話がきて、家の者たちが、最初に受賞を知り、私をずいぶん探していたらしい〉(「オール讀物」昭和三十六年十月号)
松本清張いわく「水上 勉氏は、私の“点と線”を偶然読まれて、再び筆をとる決意をされたとききました。しかし、今では、私とは違った領域で、文学的地歩をかためられている」
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