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田中角栄のトレードマーク

田中角栄のトレードマーク

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 田中角栄のトレードマークは鼻の下に伸ばしたヒゲだった。大正七年(一九一八年)生まれ。昭和二十二年(一九四七年)全国最年少の代議士となる。三十九歳の若さで郵政大臣、四十四歳で大蔵大臣に就任。

 〈蔵相に就任の年の暮「年内に予算を編成する。出来なかったらヒゲを剃る」と重大発表を行なったが、除夜の鐘の鳴るころ、のんびりヒゲの手入れをする大臣の姿があったという〉(「文藝春秋」昭和四十年=一九六五年四月号)

 佐藤内閣の後継をめぐる角福戦争に勝利し、昭和四十七年五十四歳の若さで内閣総理大臣に就任する。「今太閤」「コンピュータ付きブルドーザー」と呼ばれ、日中国交回復を果たした。「文藝春秋」に掲載された金脈問題を追及され、総理の座を退く。昭和五十一年、ロッキード事件で逮捕され、一、二審で実刑判決が下された。上告して最高裁まで争ったが、平成五年(一九九三年)、世を去った。十二月十六日は命日にあたる。

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