本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
土門拳の〈カメラは嘘発見器でもある〉

土門拳の〈カメラは嘘発見器でもある〉

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 土門拳は木村伊兵衛と並んで、戦後の日本を代表するリアリズム写真家である。

 明治四十二年(一九〇九年)生まれ。

 昭和八年(一九三三年)、宮内幸太郎の写真場に弟子入りし、写真を学ぶ。その後、名取洋之助の第二次日本工房に参加、報道写真を撮影し始める。その後、著作権の帰属をめぐり、名取と土門は対立、土門は日本工房を退社することになる。

 戦後、広島の原爆病院を写した「ヒロシマ」や炭鉱問題を直視した「筑豊のこどもたち」は、大きな反響をえた。「怒りの土門」「ねばりの土門」そして晩年には「鬼の土門」とまで呼ばれた。

〈カメラのメカニズムこそは、事実そのものの鋭敏なレコーダーであり、逆にまた仮借ない嘘発見器でもある〉(「死ぬことと生きること」より)

 写真は昭和四十六年、「古寺巡礼」で菊池寛賞を受賞したときのもの。

 平成二年(一九九〇年没)。

プレゼント
  • 『赤毛のアン論』松本侑子・著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2024/11/20~2024/11/28
    賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様

    ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。

ページの先頭へ戻る