インタビューほか

国民一人一人を考えておられる真剣なお姿を知ってもらえたら

「本の話」編集部

『天皇家の執事 侍従長の十年半』 (渡邉允 著)

――東日本大震災では、7週連続で被災者をお見舞いされました。本書では「両陛下と東日本大震災」という文庫版の前書きもご執筆いただき、震災直後の3月14日にお会いになった際のお話にも触れられました。

渡邉 震災の3日後ですから、被害の全体像はまだ見えませんでした。ただ、私が感じたのは、これだけの大災害を前に「被災者のためにできるだけのことをしたい」という両陛下の大変強いお気持ちでした。御所は電気がほとんど消され、応接間にはロウソクが灯されていました。節電対策はもちろんですが、これも電気のない中で暮らす被災者に心を寄せたいというお気持ちの表れだと思いました。

 お見舞いのスケジュールは確かに過酷でしたが、そのように形に表れたこと以上に、被災者1人ひとりと向き合うということが大変だったのだと思います。私も、新潟県中越地震直後のお見舞いに随行しましたが、両陛下が話しかけられると、皆さん泣かれるわけです。今回も家族を亡くし、家が津波に流された被災者を前に、どうすれば1番力づけられるのかを考えるだけでも大変です。それを毎週続けられたのですから、お疲れになったことと思います。

――単行本では触れられなかった「皇室の将来像」についても、提言を含めて加筆していただきました。

渡邉 皇室の将来といっても、いろんな課題がありますが、その中で1つだけ、早く手を打たなければ近い将来の皇室の活動に支障を来たす問題があります。それは、女性皇族が結婚なさると皇族の身分を離れるということです。現行の皇室典範をそのままにしておくと、女性皇族が結婚なさるたびに皇籍離脱され、皇室には悠仁さまお1人しか残らないことになります。

 そこで、皇室典範を手直しして、例えば、内親王さまが結婚されても新しい宮家を立てて皇室に残られることができるようにすることを提言しています。この問題は少し考えてみれば誰にでも分かることですし、私だけでなく有識者の方々が同様の解決策を提案されています。具体的に動き出す切っ掛けがなかなかありませんが、眞子さまも成人になられましたし、あまり先送りできる話ではありませんね。

天皇家の執事
渡邉 允・著

定価:730円(税込) 発売日:2011年12月06日

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