別冊文藝春秋

12年の時を経て、著者初の現代もの、始動!

文: 冲方 丁

冲方丁「十二人の死にたい子どもたち」

 2003年に連載の依頼をいただいてかれこれ12年になりますが、ようやく連載を開始することができました。その当時、ネットの掲示板から始まった「電車男」が話題を集めていて、チャットのような会話だけで物語が進んでいく戯曲の体裁で「十二人の怒れる男」ならぬ「十二人の死にたい子どもたち」を考えつきました。それからあっという間にネットコミュニティが浸透し、SNSも飽和状態となった今、この物語を描くことが面白いんじゃないかと思いました。それぞれに問題を抱え「死にたい」という目的で集まった12人の子どもたちに、いろいろなかたちで現代性を反映させることができるのではないか、と。子どもたちの集う廃墟、舞台がキャラクターに作用したり、彼らの内面に入ったり、外面から描いたり、1つの描き方に定まらないものになりそうな気がしています。

 12人の背景や方向性を決めるのに少し時間がかかりましたが、漕ぎ出すことができてほっとした……のも束の間、物語の中身同様、次回の原稿に向けて自分にも緊迫感が迫っています。

「別冊文藝春秋 電子版2号」より連載開始

別冊文藝春秋 電子版2号(通巻318号/2015年7月号)

定価:※各書店サイトで確認してください
発売日:2015年06月12日

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