NHK初代総裁後藤新平が辞めた後、しばらく総裁職は空白だったが、近衛文麿が昭和十一年(一九三六年)九月に第二代総裁に就任した。十一月二十八日には帝国ホテルにて大々的に総裁就任披露パーティを開いている。
〈会長の上に総裁を置いたのは、放送事業が単なる一企業ではなく、社会的に極めて重要な存在であることを人事で示すためと思われるが、長い間空席だった総裁が昭和十一年になって復活したのは、やはり国家としての情報統制が重要になったからと推測される〉(「NHKと共に七〇年」長澤泰治著)
翌十二年には、第一次近衛内閣を組閣するが、昭和十四年一月、近衛文麿は首相を辞職する。写真は昭和十四年十月十八日撮影。
近衛文麿は昭和二十年十二月、A級戦犯に指名された当日服毒自殺を遂げるまで、日本放送協会の総裁の座にあった。
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