梅棹忠夫は大正九年(一九二〇年)生まれ。 今西錦司らの薫陶を受け、文化人類学のパイオニアとされる。また、昭和四十五年(一九七〇年)の大阪万博の基本理念である「人類の進歩と調和」を起草したとされる。
昭和五十二年、千里の万博跡地に建てられた国立民族学博物館の初代館長に就任。
〈民博の起源は氏も仕掛人の一人であった七〇年の万国博覧会である。万博の成果を生かすべく、千里の跡地に民博をと、政治家や官僚にはたらきかけ、実現にまでこぎつけた。情熱家であり、かつまた学者らしからぬ「やり手」なのだ〉(「文藝春秋」昭和五十五年十二月号)
この民博には、渋沢栄一の孫で民族学に造詣が深かった敬三のコレクション「アチック・ミューゼアム」が多大なる貢献をしている。
梅棹の著書「文明の生態史観」「知的生産の技術」は大ベストセラーとなるが、晩年、失明。ただ、その旺盛な著作意欲は亡くなるまで衰えなかった。平成二十二年(二〇一〇年)七月没。
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