2011年にオール讀物新人賞を受賞した佐藤巖太郎さんの『会津執権の栄誉』が第157回直木賞の候補作に選ばれました。
舞台となるのは、400年の長きにわたって会津を治めてきた名門・芦名家。しかし、戦国の世に当主が家臣の手にかかって嫡流が断たれ、常陸の佐竹家から迎えた婿養子が芦名家を継ぐことになり、家臣の間に亀裂が生じます。これまでの芦名家の家風と、佐竹家から婿養子と共にやってきた家臣団のやり方は、どちらが優先されるのか。
タイトルにある「会津執権」とは、歴代当主を支えた名門で、佐竹との縁組みによる連合をも作りあげた金上盛備(かながみもりはる)のこと。官位は従五位下。天下人の豊臣秀吉からも、親しく声を掛けられる間柄。芦名領に攻め込んできた伊達政宗との大戦のさなか、その秀吉と聚楽第で交わした言葉が頭をよぎります。
計6作の連作短編集ですが、主人公も違えたそれぞれの物語が絡みあい、戦国末期の福島県の歴史を、立体的に浮かび上がらせています。
直木賞選考委員会は、きたる平成29年7月19日(水)午後5時より築地・新喜楽で開催されます。
プロフィール
佐藤巖太郎(さとう・がんたろう)
1962年福島県福島市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。会社員を経て、2011年「夢幻の扉」で第91回オール讀物新人賞を受賞。16年「啄木鳥」で第1回決戦!小説大賞を受賞。17年『会津執権の栄誉』で単行本デビュー。 〈作品〉「夢幻の扉」2011年オール讀物11月号=第91回オール讀物新人賞受賞。「啄木鳥」冲方丁ほか著『決戦!川中島』16年講談社刊収録=第1回決戦!小説大賞受賞。(日本文学振興会HPより)
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