11月30日(木)に『不安な個人、立ちすくむ国家』(経産省若手プロジェクト)を発売します。
『不安な個人、立ちすくむ国家』は2017年5月18日、産業構造審議会総会の配布資料として公開されました。
このレポートは、2016年8月に発足した、菅原郁郎・事務次官(当時)と20代・30代の省内若手有志30名による「経済産業省次官・若手プロジェクト」の一環として作られたものです。
文春オンラインに7月に掲載されたメンバーの座談会の模様はこちら>>
「居場所のない定年後」「望んだものと違う人生の終末」「母子家庭の貧困」「非正規雇用・教育格差と貧困の連鎖」「活躍の場がない若者」といった分析やそれに基づく提言は、発表と同時に新聞、テレビ、雑誌などのメディアで話題となりました、また、経済産業省のサイトに公開された同資料は150万ダウンロードを突破しました。
資料の内容については、「共感できる」「言いたいことが言われている」「危機感を持っている官僚がいることがわかって嬉しい」などといった好意的なコメントがあった一方、「新味がない」「具体的な政策への落とし込みが足りない」などの批判もあり、賛否両論が巻き起こりました。
書籍化にあたり、解剖学者の養老孟司さん、経営共創基盤代表取締役CEO冨山和彦さん、批評家の東浩紀さんと若手プロジェクトメンバーとの座談会や、メンバーから6人の個別インタビューを掲載しています。
養老さんは、世論をデータに基づいて把握しようとすることの危なっかしさを踏まえて「日本には『社会』や『世間』の研究が足りていない」と指摘し、冨山さんは「『ありのままの現実』を見ることが重要であり、このレポートはそれを見ているという印象を持ちましたよ」と評価します。また、東さんは「僕が理想とする社会像は、国民の最低限の市民生活が保障され、安全保障がきちんとしていることであり、そしてそれだけ」という立場から意見を交わします。三者三様の実績ある著名人との対話は、このレポートをたたき台とした様々な議論の広がりを感じさせます。
また、メンバーへのインタビューでは、「『世の中を良くする』、という価値観で動く自分でありたいと思った」といった志望動機や、レポート発表後に「『母子家庭』についてのスライドを見た友達からは『お前たちが考える弱者って、このことか』と指摘されました」といった告白から、霞ヶ関を動かす等身大の官僚の姿が浮かび上がってきます。
11月30日(木)に発売です。ご期待ください。
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