戦史の証言者たち 吉村昭

1,430 (税込)
発売日2024年06月05日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) センシノショウゲンシャタチ
ページ数 288ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2024年06月10日
ISBN 978-4-16-813109-7
Cコード 0195
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戦史の証言者たち 吉村昭

1,430 (税込)
発売日2024年06月05日
ジャンルノンフィクション
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書名(カナ) センシノショウゲンシャタチ
ページ数 288ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2024年06月10日
ISBN 978-4-16-813109-7
Cコード 0195

数多の証言者たちを訪ねて描いた、太平洋戦争の真実

戦艦武蔵の進水を主導した「神様」、撃墜された山本五十六・連合艦隊司令長官機の護衛戦闘機隊ただ一人の生存者、遭難した福留繁参謀総長の救出を果した大隊長、沈没した伊号第三三潜水艦の浮揚を成功させた技師と、内部を撮影した唯一人の新聞記者――著者が取材の過程で出会った人々の生の声。吉村戦史文学の中核を為す貴重な証言集。巻末に作家・新田次郎との対談を収録。(解説・紅野謙介)


『戦艦武蔵』
『海軍乙事件』
『総員起シ』
吉村戦史文学を支える最重要証言集!
      +
新田次郎との対談を特別収録

【テープレコーダーに残った歴史の声】
証言者の方々は、それぞれ個人的に特異な体験をしているが、同時に、その体験が太平洋戦争の歴史に強くむすびついている。その肉声を、活字として遺すことには、大きな意義があると感じた。(「あとがき」より)

目次

中西部太平洋・主要図 12

Ⅰ 戦艦武蔵の進水
戦艦武蔵について 17
●世界造船史に類をみない進水を果した工作技師 大宮丈七氏の証言 19
 世界一幅広い進水台 21
 いざ進水へ 25
 秘密進水の苦心 28
 進水の神様 35

Ⅱ 山本連合艦隊司令長官の戦死
山本司令長官の戦死について 39
●長官機の護衛任務についた戦闘機隊のただ一人の生存者 柳谷謙治氏の証言 41
 横須賀海兵団へ入る 43
 海兵団から予科練 45
 山本長官機の護衛戦闘機に乗る 48
 その前夜 52
 長官機を襲うP38 57
 司令長官の戦死発表まで 64
 空中戦で右手を失う 71
 呉へ 73

Ⅲ 福留参謀長の遭難と救出
福留参謀長の遭難と救出について 79
●参謀長ほか八名の救出に成功した大隊長 大西精一氏の証言 82
 第百七十三大隊長 83
 楽園のセブ島 90
 出没するゲリラ 93
 ゲリラ討伐戦 96
 完全な包囲網 98
 ゲリラ指揮官クッシング中佐との取引き 105
●ゲリラから参謀長ほかの引渡しを担当した大隊副官 松浦秀夫氏の証言 110
 救出隊 111
 丸腰で来いと…… 111
 海軍将兵を受けとる 117
 「ノー・ポンポン」 120
 撤収 123
 軍極秘のまま終戦 125
●遭難した参謀長機の搭乗員 吉津正利氏の証言 128
 サイパン基地からパラオへ 129
 パラオ島は火の海 131
 主偵察員吉津 135
 海中に突っ込む 136
 捕われの身となる 142
 口車にのせられて 147
 死ぬときはみな一緒 150
 ゲリラ指揮官と福留中将 153
 軍使岡村中尉の責任感 160
 古賀司令長官の遭難 166

Ⅳ 伊号第三三潜水艦の沈没と浮揚
伊号第三三潜水艦について 171
●沈没時に救助された乗組員二名中の一人 小西愛明氏の証言 173
 伊予灘で潜航訓練 174
 丸太の事故 178
 救われた者力つきた者 183
 いつの間にか海面 186
 査問委員会も開かれず 189
●救助された乗組員二名中の一人 岡田賢一氏の証言 195
 呉の海兵団に入団 197
 伊三三潜に乗る 198
 予期せぬ事故 199
 なぜ助かった! 辛い日々 202
 艦の引き揚げ 206
 自衛艦も慰霊祭に出動 210
 冷凍の死体 212
 機密保持 213
●終戦後、同潜水艦の浮揚を成功させた技師 又場常夫氏の証言 215
 引き揚げ工作の第一人者 216
 伊六三潜の引き揚げ 217
 伊三三潜の引き揚げ 219
 沈没位置の確認 222
 引き揚げ作業 226
 浮上を待ちわびる遺族 229
 遺体の収容 231
●浮揚した艦の内部を写真撮影した新聞記者 白石鬼太郎氏の証言 235
 カメラマンを兼ねた支局長 236
 暑い夏 237
 浮揚作業現場へ 239
 取材合戦 241
 体にしみついた臭い 242
 完全浮揚 246
 艦内へ入る 249
 折れた腕 251
 生きたままのような死体 253
 秩序 256
 遺体を荼毘に…… 258

あとがき 262

特別付録対談 「取材・事実・フィクション」 新田次郎(作家)×吉村 昭 265

解説 紅野謙介 279

担当編集者より

故・吉村昭氏を、時代を代表する作家へと押し上げたのは学生時代から志していた純文学ではなく、知人から譲り受けた戦艦武蔵に関する資料を元に、証言者を訪ね歩いて書き上げた『戦艦武蔵』でした。後に「記録文学」と呼ばれる独自の文学手法の先駆けになったこの作品のほか、吉村氏は戦史文学で重要な仕事を数々成し遂げ、それら作品群は今も多くの読者に読み継がれています。本作は吉村氏が実際に取材した数百人以上の太平洋戦争の証言者たちの録音テープから、特筆すべき9人の肉声を文字起こししてインタビュー形式でまとめたものです。生々しい証言が、戦史文学とはまた違った形で、あの戦争の真実を読者に教えてくれる――そんな貴重な1冊です。(担当K.N.)

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