- 2011.10.14
- 書評
太陽を感じる、干し野菜
文:廣田 有希 (干し野菜研究室 室長(つきじ常陸屋勤務))
『干し野菜をはじめよう ――太陽の香りがするレシピ100』 (廣田有希 著)
ジャンル :
#趣味・実用
朝起きたら、まず、太陽を見る。晴れていたら、2~3種類の野菜を切って、干しかごに入れてベランダに干し、そのまま仕事にでかける。夜、仕事から帰ってきたら、それを取りこんでお料理します。
太陽の光を浴びることで、すでに野菜は下拵えができています。水分が飛んでいるので火の通りや調味料の浸透が早く、20分もあれば夕飯の支度ができてしまいます。おまけに野菜の味が濃く、美味しくなっているので、味付けも少なくてすみます。あまった干し野菜は冷蔵庫や冷凍庫でストックしておけば保存もききます。
今では、これは生で食べよう、と思うもの以外は、とりあえず干しておくほど。
ともかく、干し野菜は、驚くほど簡単で、ずぼらさんや忙しい人にぴったりなのです。
干すことによる野菜本来の旨みや味の変化に驚かされることもたびたびです。
一番衝撃的だったのは、キュウリでしょうか。干したキュウリは、生とはまったくの別物。独特の青臭さがなくなり、メイプルシロップのような甘い残り香がふんわりと香る洗練された食材になるのです。しかも、焼くとさらに皮目がおいしく香ばしくなり、身は濃厚なジューシーさで満たされます。
他に、ナスなども実がしまって旨みと食感が増すので、今ではナスを生のまま使うことはほとんどありません。
干し野菜は、シンプルに焼いたり揚げたりして塩で食べるだけでも十分に美味しいのですが、一方で、生のときとは素材の特徴が変わりもするので、合わせる食材や調味料との新たな相性を考えるのもまた楽しいものです。
たとえば、干し大根とクリームチーズとか、干しセロリと納豆など、生ではちょっと考えられない組み合わせが絶妙の味になったりします。そんな意外な組み合わせを求めて、干し野菜レシピの研究を日々続けています。
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