2011.10.14 書評

太陽を感じる、干し野菜

文: 廣田 有希 (干し野菜研究室 室長(つきじ常陸屋勤務))

『干し野菜をはじめよう ――太陽の香りがするレシピ100』 (廣田有希 著)

 また、生の野菜特有の“クセ”がなくなる干し野菜は、野菜嫌いの克服にもひと役かっています。苦手な人の多いセロリなども、干すだけで食べられるようになった人が何人もいました。一番驚いたのは、88年間、ピーマンを食べられなかった祖母の変化。「べちゃっとしてないし、青臭さがないからいいね」と、干したピーマンなら食べられるようになったのです。

 それまで一日中、家でテレビを見ていた祖母に、雨が降りそうな日には、干しかごの番をお願いするようになってからは、野菜と一緒に太陽を浴び、干しかごを取り込むことで、野菜に愛着もわいたのか、ピーマンばかりでなく、他の野菜も食べるようになりました。

 都会にいると、ビルばかりで、空を見上げたり、太陽の恵みを感じることってほとんどないですよね。

 でも干し野菜をはじめると、空を見あげる機会が多くなります。たとえ小さなベランダであっても、太陽を見たり、風を感じたり、その恵みをうけておいしく干しあがった野菜を収穫したり……。空を見上げる毎日はそれだけで、元気で前向きな気持ちになるし、日々当たり前だと思っていた太陽や風や水のすごさを感じて感謝の気持ちがわいてきます。うきうきするような毎日になっていくのです。

 だからまずは、皆さんに干し野菜をはじめてみてほしいのです。

 本書では、野菜の切り方や干し方を写真付で初心者にも分かりやすく説明し、干し野菜を使ったお料理レシピを100種類ほど紹介しています。どれもが、ほぼ10分程度でできる手軽さなのに、味も見た目も、手がこんでいるように思えるものばかりです。

 一人でも多くの人に、干し野菜のおいしさ、手軽さを知っていただき、太陽の恵みを感じ、より明るい毎日を送ってもらえれば、これ以上うれしいことはありません。

干し野菜をはじめよう
廣田有希・著

定価:1470円(税込) 発売日:2011年10月08日

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