2013.08.12 文春写真館

十四代目酒井田柿右衛門いわく「赤が一番難しい」

文・写真: 「文藝春秋」写真資料部

十四代目酒井田柿右衛門いわく「赤が一番難しい」

 乳白色の磁肌に赤絵の華麗な絵柄。絵磁器の最高峰といわれる窯元・柿右衛門の十四代目は、昭和九年(一九三四年)、父である十三代目の長男として、佐賀県有田町に生まれる。

 日本では十七世紀半ばに始まった「赤絵付け」とは、本焼きにした器物に絵を描いて、それを八百度くらいの熱で焼く工程をさす。「赤絵付け」とはいうが、黄色、緑色、青色、紫色などの色も使う。ただし、「赤が一番難しい。化学的に処理された絵具は綺麗だが美しくはない。天然の原料に含まれる不純物が味わいを生むんです」(「文藝春秋」平成十三年=二〇〇一年十月号「日本の顔」より)

 写真はこのとき撮影されたもの。

 多摩美術大学日本画科卒業。昭和五十七年、父の死去にともない十四代柿右衛門を襲名する。以後、窯元を務めながら、創作家として日本伝統工芸展を中心に作品を発表。また海外でもひろく作品が紹介された。後進の指導にも力を入れ、平成十三年、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。

 色絵具で色絵磁器に付ける絵のむずかしさについて、こう述べている。

「色の配置をどうするか、配置によって絵の雰囲気が全然違ってきます。赤も二色使います。ちょっと濃い赤と、花びらに使う薄い赤。薄いっていうより、華やかな赤ですね。
 それ以上いろんな色を使うと絵のようになってしまうんです。
 絵にしてはいけないんですね。図案でもいけないしスケッチそのものでもいけない。その中間ぐらいでしょうか」(「余白の美 酒井田柿右衛門」より)

 平成二十五年没。

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