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上を向いて歩こうを作曲した中村八大

上を向いて歩こうを作曲した中村八大

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 東日本大震災のあと、「上を向いて歩こう」のメロディーを耳にする機会が増えた。坂本九が歌い、昭和三十八年(一九六三年)、全米ビルボードのヒットチャートで三週連続一位(英語の題名はSukiyaki)、年間総合シングル十三位を獲得したこの曲を作曲したのが、中村八大だった。

 昭和六年、中国の青島で生まれた。ジャズピアノに目覚め、高校三年生で上京して早稲田大学高等学院に入る。「その年の夏休みには、早速ジャズピアノのアルバイトを始め、夏休みの一カ月間を大阪のキャバレー“赤玉”で、ピアノを弾いていた」(「週刊文春」昭和五十五年=一九八〇年十一月十三日号)

 早稲田大学在学中から、ジョージ川口、松本英彦、小野満とジャズバンド〈ビッグ・フォア〉を組んで活躍。戦後のジャズブームの一翼を担った。

 その後、作曲家としての仕事に重心を移した。作詞・永六輔とのコンビで「上を向いて歩こう」のほか、「こんにちは赤ちゃん」「遠くへ行きたい」「黒い花びら」など数多くの国民的ヒット曲をてがけた。

 写真は昭和三十七年、赤坂プリンスホテルにて撮影。

 平成四年、没。

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