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三越の包装紙をデザインした猪熊弦一郎

三越の包装紙をデザインした猪熊弦一郎

文・写真:「文藝春秋」写真資料部

 誰もが知っている白地に赤い模様の入った三越の包装紙。「華ひらく」という題がついている。百貨店として初めて作られたオリジナルの包装紙として注目を集め、長く愛されてきた。これをデザインしたのは、洋画家の猪熊弦一郎。昭和二十五年(一九五〇年)、白い紙に赤い不定形の紙を貼って作ったという。

 ちなみに、その基本デザインにローマ字で「mitsukoshi」の文字を入れたのが、当時三越宣伝部のデザイナーだったやなせたかし。「アンパンマン」の作者である。

 猪熊弦一郎は明治三十五年(一九〇二年)生まれ。東京美術学校(現・東京芸術大学)西洋画科に入学。三十代半ばにフランスに渡り、アンリ・マティスの指導を受けた。

 写真は昭和二十六年に撮影されたもの。この年、上野駅構内に壁画「自由」を完成させた。

 その後、活動の拠点をニューヨークに移す。昭和四十八年、脳血栓で倒れた後は、ハワイに移り、創作を続けた。平成五年(一九九三年)没。

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