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「山本さんの立場で、しゃべるわけないやないか。核心の話をすると、この人にとってはマイナスになるだけやから」
山本は黙ったままだ。
「そうですね。でも、山本さんは水谷さんから話を聞けとおっしゃっています。どうですか」
「俺に聞いてもしゃあないやないか。俺はそこ(現金受け渡しの現場)にいたわけやないしな。でも、この人は立ち会っとんのやで」
山本の顔を見ると、すっかり血の気が引いている。構わず、水谷が続けた。
「しかも、立ち会っただけやないんやで。本当は水先案内人なんやで」
とっさに山本が口を挟んだ。
「そんな会長、忘れちゃいましたよ」
プレゼント
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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