- 2012.03.14
- 書評
楽天に就職する方法
文:三木谷 浩史 (楽天株式会社代表取締役会長兼社長)
『グーグル、アップル、マイクロ ソフトに就職する方法』 (ゲイル・L・マクダウェル 著・村井章子 訳)
ジャンル :
#政治・経済・ビジネス
楽天は創業以来、「世界№1のインターネット・サービス企業になる」という目標を掲げてきました。世界に進出してゆくことは、野心的なことというよりも、もはや必然だと考えています。
2012年2月現在、楽天でもEC事業だけで海外9カ国・地域に展開しており、今後27カ国・地域に展開することを目指しています。それとともに人材も多国籍化しました。現在、約8000人の従業員の15%が日本人以外の社員になっています。2010年初夏以来、社内の公用語を英語にするプロジェクトを進めていますが、それはこうした状況下で、社内コミュニケーションの効率化を図るという理由があります。
しかし、この「英語化」は、単にコミュニケーション能力を高めるという以上の目的があるのです。
わたしが楽天市場を立ち上げたのは1997年でした。当時は誰もが「インターネットでモノは売れない、日本では普及するはずがない」と言ったものです。しかし結果としてわたしたちは、非常に大きな成功を収めました。
その理由は、わたしたちが時代の先を読んでいたこと、未来への視界を阻む「壁」の向こうを見通すことができたことだったと思っています。多くの人は常識という「壁」に囚われ、その外側を見ることができなかったのです。
ところが、こうした「壁」は、往々にして日本国内に固有のものです。だから海外に出ることで、その「壁」の外に出ることが可能になり、「壁」の 向こうを見ることができるようになるのです。
国際化することで世界の動きが目に見えるようになる。世界中の人々とコミュニケーションできれば、未来を多様な角度から見ることができるのです。
携帯電話に顕著なように、日本の製造業は韓国に遅れをとっています。それは日本国内の「壁」に囚われて、未来を見通せなかったためです。わたしたちはそんなふうに取り残されたくはありません。時代を先取りするのです。
新しいものをつくり続けたい。世の中に新しい価値を提供したい。既得権益を変えていきたい。そしてそれによって、この20年間にわたって日本を覆っている漠然とした閉塞感を打破したい。
これがわたしたちの基本的な想いなのです。
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