50℃で元気になる
実際に一度試した方は、目の前で野菜の様子が変わり、食べてみておいしくなっていることに驚き、50℃洗いがどんどん楽しくなるようです。私が主宰するスチーミング調理技術研究会に参加した方たちも、さまざまな食材にこの50℃洗いを試し、結果を報告してくれます。50℃洗いを始めてから気持ちよく自然なお通じが続いている、なんとなく疲れなくなった気がする、老け方が違ってきた……などなど、体調や見た目の変化を教えてくれる方もいます。私自身も自然と野菜を食べる量が増えて、それが健康につながっているのではないかと思っています。
最近は、生産者からの質問や相談を受ける機会も増えました。先日もトウモロコシ農家の方から、収穫したトウモロコシを50℃のお湯に5分浸けておいたところ、通常よりも糖度の落ち具合が少なかった、という驚きの電話がかかってきました。収穫直後のトウモロコシの糖度は16.3度。それを何もせずに1日放置しておいたところ、糖度は11.1度に下がっていました。ところが、50℃のお湯に5分間浸けておいたトウモロコシは、15.1度と糖度が維持されていたというのです。一日経ってもわずか1.2度しか糖度が落ちていないのは、普通では考えられないことだそうです。もし、糖度が落ちるのを50℃洗いで食い止められるなら、生産者にとって悩みの種だった流通問題の解決につながります。スーパーなど小売業者にも朗報となることでしょう。残念ながら、私自身は食物栄養学の専門家ではありませんから、ぜひ研究者の方にミクロの世界でどのような現象が起きているのか検証していただきたいと思っています。
さらに、研究者の参加が待たれるのが医療の分野です。よく女性からは、「野菜がピンとなるなら、私のお肌にも50℃洗いが効きますか?」などといった冗談まじりの質問を受けますが、50℃のお湯は熱すぎて無理でも、50℃の蒸気であれば熱さを感じることなく、そういった効果も充分期待できます。実際に私は50℃のスチーム風呂を考案して試しています。これはデトックス効果も得られて実に気持ちのいいものです。そして、人間の免疫力を高めるのではないかと、密かに自負している装置なのです。
50℃ミラクルはまだ始まったばかり。これからの展開が、私自身も楽しみです。みなさんもぜひ本書をきっかけに、50℃の世界を楽しんでください。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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