インタビューほか

84歳でも元気ハツラツ!
爆笑エピソードで綴るテレビ黎明期、きらめくスターたちとの交流

「本の話」編集部

『崑ちゃん ボクの昭和青春譜』 (大村崑 著)

昭和30~40年代、『とんま天狗』などの番組でコメディアンとして絶大な人気を獲得、その後は俳優、司会、コメンテーターとして長く活躍し続ける大村崑さん。ダイハツのミゼットや、今もホーロー看板が各地に残るオロナミンC(大塚製薬)など多くのCMにも起用された国民的な人気者が語るその軌跡は、昭和の芸能史でもある。

昭和を物語るホーロー看板は、今でも地方の町角に見られる

――『番頭はんと丁稚どん』『とんま天狗』などで人気絶頂だった頃の裏話やオロナミンCのエピソードも初めて知ることばかりでした。

「昭和30年代前半は、まだVTRはありませんからぜんぶ生放送です。ピーク時でレギュラー11本という殺人的なスケジュールでしたね。ファンも生放送と知ってるからテレビ局を出るとものすごい数のファンに取り囲まれていました。でも、そんな人気絶頂の頃に、僕と芦屋雁之助と芦屋小雁が一緒に結婚式をあげたんですよ。3組の合同結婚式の様子は生放送で全国に流れました。3人同時に1週間番組を休んで新婚旅行にも行きました。もちろんそこでも取材攻めでした。

 オロナミンCのCMは、最初出演を断っていたんですよ。僕は若い頃に片肺を切除していたから、ちっとも『元気ハツラツ』なんかじゃなかった。でも、何度も説得されて、最後は契約書の出演料の金額を見た家内が『やらせていただきます』と言っちゃったんだけどね(笑)」

長年家族で交流のあった森繁久彌さんと

――崑ちゃん独自の若さの秘訣や健康法も紹介しています。

「長生きの秘訣は、正しい食事と“笑い”。森繁久彌さんが96歳まで生きたのはユーモアがあったからなんです。愛される年寄りを演じるお茶目さが、あの人を長生きさせたんですね。

 でもね、僕は若い若いと言われて嬉しい一方でとても寂しいんです。だって、先輩や友達が次々といなくなるんですよ。こんなこと考えてもみなかった。『崑ちゃん』の本に登場する人のほとんどは、もうこの世にはいません。『そして誰もいなくなった』って、アガサ・クリスティやないんやから。それにしても、なんで僕ばかりみんなから寄ってたかって香典むしり取られなきゃならんのですかね(笑)。もう、かないまへんわ」

大村崑(おおむら・こん)

大村崑

1931年11月1日、兵庫県生まれ。キャバレーのボーイから司会、そしてコメディアンへと転身。昭和30年代、黎明期のテレビ軽演劇『やりくりアパート』『番頭はんと丁稚どん』『とんま天狗』で全国的なスターに。大塚製薬のオロナミンCドリンクのCMは「うれしいと眼鏡が落ちるんですよ!」などのコピーとともに有名。

崑ちゃん ボクの昭和青春譜
大村崑・著

定価:本体1,400円+税 発売日:2016年09月13日

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