――この本のタイトル『政治の急所』には、いかなる思いが込められているのでしょうか。
飯島 私が政治の世界に入ってから、もう40年以上が経つんだけど、その間、自民党は長期政権を敷いて「わが世の春」を謳歌した時代もあれば、下野した時代もあった。個人的にも、小泉政権では首相秘書官として、いまは安倍政権で内閣参与として、首相官邸に入っている。これほど長く政治の裏表を見てきた人は、あまりいないと思う。そんな私だからこそ、ときに安倍内閣の政策の後押しの意味で、あるいは心配な点があれば、足を引っ張るのではなく前向きな提言として、メディアや評論家とは違う視点で、政治の要諦を突くことができるんじゃないかと思ったわけさ。これぞ、“政治の急所”でしょ。
――飯島流の政治評論と他との違いは、どんな点なのでしょう。
飯島 過去形ではなく、先を見通しての提案や懸念を述べるところだと思うね。報じられない大事な点に着目することも意識している。たとえば、昨年の秋の園遊会だよ。山本太郎参院議員が陛下に手紙を手渡ししたことが大変な批判を浴びたよね。山本氏の行動が言語道断であるのは当然さ。今後、皇室行事を辞退させる処分がくだされたけど、政府の式典にも永遠に呼ぶなといいたいくらいさ。
でもね、私も内閣参与ということで列席させていただいて、心から心配になったのは、両陛下が約1キロを2時間以上も歩かれて、2000人の招待客に応対されていることのほうさ。下がアスファルトならまだしも、砂利道なんだから。これを、ただ前例踏襲ってことで放っておいていいのか、宮内庁は早急に方式を改めるべきではないか、と痛切に感じた。こういうことは、メディアはどこも指摘しないでしょ。
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