日本の代表的音楽アーティスト、THE ALFEEのリーダー、高見沢俊彦さんの初の小説「音叉(おんさ)」を8月22日発売の小説誌「オール讀物」9月号に掲載します。執筆名は髙見澤俊彦。
「音叉」はバンドとしてプロデビューをめざす若者の恋と葛藤をえがいた青春小説です。学生運動、フォーク、ロック喫茶など、若者文化が花開いた70年代を舞台としています。今後、THE ALFEEが結成45周年を迎える2018年夏に向けて書籍刊行を目指します。
あらすじ
舞台は学生運動の火も消えようとしていた1973年。私立の聖マリアンヌ学院大学に通う風間雅彦は、高校生の頃から同級生とバンドを組みギターを弾いていた。メンバーはドラムの古澤啓太、キーボードの神林義之、ベースの佐伯美津夫。彼らのバンド『グッド・スメル』はアマチュアコンテストでの準優勝がきっかけでプロデビューを持ちかけられていたが、レコード会社からデビューの条件としてあることを言い渡される。やりきれない気持ちを抱えたまま、夜の原宿に足を向けた雅彦。そこで彼は、忘れられなかったある人物と再会する……。
本人のコメント――「音叉」に寄せて
「小説を書いてみませんか?」。編集の方からのストレートなオファーが自分の背中を押しました。常々文章は書きたいと思っていましたが、小説は自分には無理だろうとあきらめていました。その後、編集の方と直接お会いして話を進めて行くうちに、音楽畑で長年やって来た自分ならではの表現もあるのでは? と思い書き始めたのが「音叉」です。物語は70年代のロックを中心にした青春群像がテーマですが、あくまでもこれは創作であり、実話でも等身大の自分でもありません。今後の展開は現在様々な発想が渦巻いています……。個人的には小説という新しい扉を、わくわくしながら開けて行きたいと思っています。
髙見澤俊彦
オール讀物編集長のコメント
小説を依頼したきっかけは「偏愛読書館」(「オール讀物」2016年11月号)というエッセイでした。幼いころ、萩原朔太郎の本が並ぶ父の本棚、ヘミングウェイが並ぶ兄の本棚を眺めるのが好きだったことを知り、「この人はどんな小説を書くのだろう」とがぜん興味を抱いたのです。そして、出来上がった小説は想像をはるかに上回るものでした。エンタメであり純文学であり。文学と音楽がミックスされたなつかしさと切なさがつまった青春小説です。
大沼貴之
高見沢俊彦(たかみざわ・としひこ)
1954年4月17日生まれ。THE ALFEEリーダー、楽曲制作を担当。1973年、明治学院大学キャンパスにて坂崎幸之助、桜井賢と出会いバンドを結成、翌年デビュー。1983年『メリーアン』が大ヒット。『メリーアン』以降2017年5月リリースの最新シングル『あなたに贈る愛の歌』まで、チャート誌ランキングで51作品連続ベスト10入りを果たしている。通算2639回のコンサート本数は日本人バンドとして最多記録。NHK-FM「THE ALFEE 終わらない夢」、TBSラジオ「高見沢俊彦のロックばん」、BSジャパン「あの年この歌~時代が刻んだ名曲たち~」レギュラー出演中。8月30日、ソロ活動25周年記念ベストアルバム「美旋律 ~Best Tune Takamiy~」発売。9月2日、3日「Takamiy 2017 ソロライブ 真夏の夜の夢2017-Night of Pacifico-」開催。
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