書評

2018年のトレンドはねこ娘に決定!? 生誕50周年を迎えたアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』が映す、現代の闇とは?

文: 岩佐 陽一 (ライター)

『ねこ娘大全』(水木プロ・東映アニメーション・岩佐陽一 監修)

「ねこ娘大全」(監修・水木プロ/東映アニメーション/岩佐陽一)

「ねこ娘大全」が出た。「鬼太郎大全」ではなく「ねこ娘」である点がポイントだ。しかも紙ではなく電子書籍。現在フジテレビ系毎週日曜日の朝9時から放送中のテレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』は通称“第6期”の6作目。劇中でねこ娘はスマホを使いこなしている。原作者・水木しげる亡きあと初のテレビアニメ放送となったが、水木先生は草葉の陰でこのアニメをどう観ていらっしゃるだろうか……? どの期も一様に「面白いです」とおっしゃっていたので今期も「面白い」と周囲(どの?)に漏らされているかもしれない。

 言うまでもなく「ねこ娘」はメインではなくサブキャラクターだ。原作『ゲゲゲの鬼太郎』ではねずみ男の悪さを懲らしめるために鬼太郎が呼んだ1話限りのゲストだった。鼠を退治するために猫を呼ぶという構図はまさしく『トムとジェリー』。大変わかりやすい。その原型は、戦前戦後のいわゆる“化け猫”映画にあるのだろう。水木作品においては、東真一郎名義で昭和33(1958)年に発表した『怪奇猫娘』が元祖だ。また貸本版の『墓場鬼太郎』にも寝子という魚や鼠を見て猫化する美少女が登場しており、平成20(2008)年にフジテレビ深夜のノイタミナ枠にてアニメ化された際、熱烈な『鬼太郎』ファンであるしょこたんことタレントの中川翔子が声をあてていた。また講談社「週刊少年マガジン」から小学館「週刊少年サンデー」に連載を移行した際には「猫子」という猫娘的なキャラがレギュラー入りしており、こちらも猫娘のプロトタイプと言われている。余談だが、原作の『続ゲゲゲの鬼太郎』には女子大生になった猫娘が登場。ねずみ男のように猫髭を生やし、怪奇女子大学不思議学科に通っていた。豪しゃなコートを着ていたり性格はギャルそのもので、このJD猫娘もいつかアニメで観てみたいものだ。他にKONAMI発売のゲームでは『エヴァ』のアスカこと宮村優子が演じていたり、実写映画では田中麗奈が演じていたが、ピッタリだった(いまなら広瀬すずか?)。


ねこ娘大全監修・水木プロ/東映アニメーション/岩佐陽一

発売日:2018年10月02日