「幻の本」を追い求め、物語の神秘的世界へと分け入っていく小説『熱帯』。
森見登美彦氏の最新作であり、謎めいた魅力を湛えた本作は、世界最大の奇書といわれる『千一夜物語』と大いに共鳴しています。
ともに読む者の心をざわめかせる両書物についてその魅惑の根源を探り、さらに楽しむために、アラビアンナイトをご専門とする西尾先生の力をお借りして、両書を存分に紐解いていきたいと思います。
とりわけ、実態が謎に包まれている『千一夜物語』について、そもそもどのようにして「発見」され、受容されてきたのか。発見者であり、西欧で『千一夜物語』を広めた張本人アントワーヌ・ガランとは果たしてどんな人物で、彼と『千一夜物語』の出会いは如何なるものであったのか。その後この物語はどんな数奇な運命を辿ることになったのか。
ひとびとの欲望に応える形で次々に「偽写本」が誕生し、さらに各地の翻訳者の想像力も入り込み、ひたすら“膨張”し続けた『千一夜物語』の正体について探求しながら、登美彦氏の創作の源泉にも迫っていきます。
プロフィール
西尾哲夫(にしお・てつお)
1958年、香川県生まれ。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。言語学・アラブ研究専攻。アラブ遊牧民の言語文化の研究やアラビアンナイトをめぐる比較文明学研究に従事。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手、助教授を歴任し、現在は国立民族学博物館・副館長。
主な著書に『世界史の中のアラビアンナイト』『アラビアンナイト――文明のはざまに生まれた物語』『図説アラビアンナイト』など。
森見登美彦(もりみ・とみひこ)
1979年、奈良県生まれ。作家。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で第20回山本周五郎賞受賞。10年『ペンギン・ハイウェイ』で第31回日本SF大賞受賞。16年『夜行』で第156回直木賞候補に。
18年11月、これまでの集大成といえる大作『熱帯』を刊行。同作は第160回直木賞にもノミネートされている。
開催概要
日時 | 2019年2月11日(月・祝) 13:30~15:00(開場13:00) |
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場所 | 国立民族学博物館 第5セミナー室(地図) |
定員 | 90名(全席指定) |
料金 | 無料 |
応募方法 | 下記フォームよりお申し込みください。
※当日ぜひ対談の俎上にあげてほしいこと、また、『千一夜物語』について知りたいことがあれば、フォーム内の「リクエスト欄」に自由にお書きください。 ※当日の対談は『熱帯』のネタバレを含みますので、その点はご留意頂ければ幸いです。 |
応募期間 | 2019年1月16日(水)~23日(水)23時59分まで |
当選者へのご連絡 | 厳正なる抽選の後、当選された方には1月28日(月)までにメールにてご連絡致します。 |
注意事項 | ※応募はお一人様一回でお願い致します。 ※座席は当選のご連絡の際に指定させていただきます。 ※当日入場の際に当選通知メールのプリントアウト(*万博公園を通行する都合上、恐れ入りますがプリントアウトが必要になります)と、ご本人であることがわかる身分証をご提示ください。 ※当日、会場の模様を撮影する可能性があります。 ※当日のご発言は、『熱帯』特設サイト、Twitter、広告、販促物など書籍プロモーションに無償で使用させていただく場合があります。 |
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