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<五十嵐律人インタビュー>現役司法修習生が描く驚愕のミステリー。法廷があぶりだす不合理な人間の“罪と罰”

<五十嵐律人インタビュー>現役司法修習生が描く驚愕のミステリー。法廷があぶりだす不合理な人間の“罪と罰”

聞き手:「別冊文藝春秋」編集部

電子版34号

出典 : #別冊文藝春秋
ジャンル : #小説

『法廷遊戯』(五十嵐 律人/講談社)

 第六二回メフィスト賞を受賞した『法廷遊戯』は、驚きの仕掛けと緻密な語りで一気読み必至のリーガルミステリーだ。今作がデビュー作となる五十嵐律人さんは、現役の司法修習生でもある。五十嵐さんは、「法律の面白さを伝えたい」という思いで執筆に臨んだという。

「大学進学の際は特に目的もなく法学部に入ったのですが、法律って学んでみると面白い。条文で始まり条文で終わるので、感情論が入る余地がないまま論理で物事が進むのがとても心地よかったんです。僕は法律を学ぶことで世界との向き合い方を知りました。ただ法律の条文は専門用語で書かれているので、訓練なしに理解することは難しい。でも小説の形にしたらこの面白さを多くの人と共有できるのではないかと考えました」

 物語の舞台はロースクールだ。法曹の道を志すロースクール生の久我清義と織本美鈴。ある日彼らの“過去”を暴露する紙が配られ、それをきっかけとして二人の周りで不可解な出来事が起こるようになる。“犯人”は何の目的で彼らの過去を暴こうとしているのか――。途方に暮れた清義が相談を持ち掛けたのは、大学在学中に司法試験を突破した“天才”結城馨。三人はそれぞれに真相を追うが、その中の一人が命を落としたとき、事件はまったく別の顔を見せることになる。

「法廷のルールにのっとってエンタメ作品にするのが本当に大変でした(笑)。この小説では法律上の“罪”がテーマになっていますから、その前提となる法律に関して嘘をつくことはできないなと。刑罰を加えるということは、法廷で厳格な手続きを踏んで初めて可能になることなんです。これから法律家として活動していく身でそこを偽るわけにはいかないと、歯を食いしばって法律の制約の中で物語を紡ぎました」

別冊文藝春秋からうまれた本

別冊文藝春秋 電子版34号(2020年11月号)
文藝春秋・編

発売日:2020年10月20日

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