- 2023.08.03
- 特集
文春文庫×Chapters書店、8月の選書「すごい男」でコラボ決定!
文春文庫50周年「ぶんこアラ」ステッカーもプレゼント
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
,#随筆・エッセイ
季節やトレンドをふまえ、毎月設定されるテーマに基づきセレクトされた文庫本を扱うオンライン書店「Chapters」。8月は、文春文庫から「すごい男」をテーマにセレクトされます。
オリジナルコラボブックカバーに、文春文庫50周年を記念した「ぶんこアラ」ステッカーもプレゼント!
ぜひこの機会に、まだ見ぬ本との出会いを体験してみませんか?
8月のテーマ「すごい男」。
選書の質に定評のある人気オンライン書店・チャプターズ。
今月は文春文庫の中から、小説に登場する多種多様な「すごい男」
タイトルや著者はお届けまで明かされないのが、
読みやすさと面白さはお墨付き◎
推薦文とイラストを信じ、直感でぜひ選んでみてください。
クリエイターは、グラフィックデザイナー・イラストレーターのnorinorio さん。
淡くシンプルでありながら、ミステリアスな雰囲気を纏う人物イラストを得意としています。4作品それぞれの、強烈な個性を持つ主人公を描いていただきました。
◇ ◇ ◇
選書紹介:東 「人の死期が分かる男」
この上なくミュージックを愛し、決して素手では他人に触ろうとしない。そんな人物が身近に現れたら、それは死神かもしれません。
対象者を1週間調査して、〈可〉の判断をくだせば翌8日目にはその人間の死が実行される。クールでどこか奇妙な死神が出会う6つの人生とは。
ページ数:345ページ(全6編からなる連作短編小説)
読了しやすさ:★★★★
すごい男度:★★★
<スタッフおすすめポイント>
あらすじだけでピンと来た方も多いでしょうか。大人気作家の描く死神の物語、ブラックユーモアと伏線回収の心地よさが炸裂する大人気作です。
一見暗そうですが、読み進めていく中で感じたことは「...死神かわいい」でした。
レビューを読んでみても、「死神」という入り口の暗さに反して主人公のチャーミングな一面に魅力を感じる方も多いようです。
もしも死神が存在したのならーーー
緻密な情報収集で知られる作家ならではのキャラクターの解像度の高さが、この物語の最大の特徴かもしれません。
登場人物の死神はもちろん"すごい男"ですが、作家も相当"すごい男"だと思います。
老若男女、読書家もビギナーも問わず、誰にでもお薦めできるエンタメ小説。
1話完結型の連作短編という点も読みやすさ抜群です。
選書紹介:西 「モテすぎる男」
初恋、それは身も心も砕くもの。
ある日父が引き取った少年の登場によって、平穏だった家族――三姉妹と母親の心は一気にかき乱されていきます。
醜さ、ずるさ、怖さ、強さ。
それらを含めた女というものの魅力を強烈に感じられる、現代最高の女性作家が贈る芳醇な恋愛小説。
ページ数:(長編小説)
読了しやすさ:★★★
すごい男度:★★★★★
<スタッフおすすめポイント>
あらすじを読んで、いわゆる初恋を題材としたよくある恋愛小説だと思うと危険です。 初恋特有のとんでもない熱量が、読み進めるうち行間に炎として見えてくるような感覚。 これは恋愛というよりも戦いに近いものを感じました。「とにかく読んでほしい、好きだと思うから」。
文藝春秋さんのこの一言に惹かれて読んだ推薦人(=森本)ですが、物語の素晴らしさを前に完全に語彙力を失っています。
一点だけ具体的に素晴らしい点を申し上げると、恋愛を描いているのに身体的接触が一切なく、それでいて甘美な、見てはいけないものを見ているような文学ならではの背徳感があります。
本当の意味での"芳醇"を教えてくれる作品。 後悔させない、はずなのでとにかく読んでほしい。すごい男、だけでなく女もすごいです。
今月の選書テーマ"すごい男"の真ん中に据えた作品。
選書紹介:南 「落とし物を交番に届けて人生が変わった男」
なぜかモデル事務所に拾われた。フラれること十数回、借金は膨らみ、オーディションには落ちてばかり。それでも男は人との縁を繋ぎ、やがて本当の恋をし、大役を射止める。そんな折、アメリカから一本の電話がかかってきて……。
人気俳優が半生を回顧する、笑いと涙のシンデレラ(!?)ストーリー。
ページ数:336ページ(エッセイ集)
読了しやすさ:★★★★★
すごい男度:★
<スタッフおすすめポイント>
今月"すごい男"のラインナップからいくと、一番地味な、地に足のついた主人公です。それでも、4作品中で唯一本書だけがエッセイ、つまりノンフィクションだとすると"すごい男"を地で行っています、この男。
短い章が何十も連なる読みやすいエッセイ集ですが、全てが緩やかに繋がる物語のような構成。
話の面白い友達が語りかけてくれるような素朴な文体が癖になり、隙間時間でちょこちょこ読もうと思いきや面白くて一気読み。
朗らかに生きるといいことあるんだなあと、日常をよりご機嫌に生きてゆきたくなりました。
今月は時間がない! すごい男よりゆるい男がいいぜ! という方は、ぜひこちらを。
選書紹介:北 「奇天烈すぎる医者の男」
ある病院の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。
だが色白でデブの担当医には妙な性癖が……。
この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?
ページ数:282ページ(連作短編小説)
読了しやすさ:★★★
すごい男度:★★★★★
<スタッフおすすめポイント>
チャプターズでも度々登場する常連作家さんの作品。文藝春秋が贈る人気シリーズは、今年待望の最新作が17年ぶりに発売されたことでも再び話題となっています。
"すごい男"のすごい度合いでいけば今回随一でしょうか。なりふり構わぬ奇天烈な精神科医は、一度出会うと忘れられない主人公です。
自分が抱える問題に対してそれぞれ真剣に悩む患者に対し、無関心でいて実は寄り添っていたり、利己主義に見えてとても献身的だったり。
自分ももっと肩の力抜いて生きれたらいいのかなあなんて、終盤は憧れすら抱いてしまいました。
くだらないのにしっかり直木賞受賞シリーズ。知的に馬鹿馬鹿しい。
アンビバレントな感覚がまた堪らないです。
8月の「すごい男」選書、気になる本は見つかりましたか?
ここで、2021年5月の「すごい女」の答え合わせをご紹介します。クリエイターは にお さん。今回の選書のヒントになればと思います。
恋愛観が屑の女
読了しやすさ:★★★★
すごい女度(=過激度):★
クリエーティブにある「屑」という表現は、村山由佳さんが寄せた解説から拝借しました。
不器用な登場人物は皆、自分のダメさや満たされなさに悩みつつ、それが絶妙な隙や魅力になってしまうから不思議。
復讐に燃える女
読了しやすさ:★★★★
すごい女度(=過激度):★★★
今月の4作の中で、唯一男性視点から描かれる「すごい女」の物語。
サスペンスの要素も多分にあるため、復讐の理由は?恋路の行方は?と、どんどん続きが気になってあっという間に読み進めてしまう作品。
承認欲求に狂う女
読了しやすさ:★★★★
すごい女度(=過激度):★★★★★
あまりにも強烈な本作は過去に直木賞候補にも選ばれ、今回の「すごい女」の選書の中心ともなりました。
今年は原作がドラマ化されたことで再び人気も再燃するなど、読む人の心を掴んで離さない、悪魔的中毒性を持つ名作。
元カレに依存する女
読了しやすさ:★★★★★
すごい女度(=過激度):★★
アパレルで働く主人公を象徴するように、作品全体にはファッションの描写が多く登場します。
その細やかさやさりげない表現から、2001年に芥川賞を最年少で受賞した実力派女性作家さんの特徴が垣間見え、ファッションが好きな方はぜひこの作品を選んでいただきたいです。元気を出したい方も!
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『李王家の縁談』林真理子・著
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