作品
デビュー30周年、実力派女流作家の精髄を示す短篇集。「鍋の中」「蟹女」「望潮」「白い山」など各種文学賞受賞作を中心に8作を収録
押伏村には、六十歳を越えると蕨野へ棄てられる掟がある。老人たちの悲惨で滑稽な集団生活。死してなお魂は生き永らえるのか——
日本海の離島で、ふたりの老女が暮らしを営んでいる。厳しさに負けず、シンプルに生きようとする姿に胸を打たれる。 解説・桐野夏生
朝鮮との国境近くの島でふたりの老女が暮らす。九二歳と八八歳。厳しい海辺暮らしとシンプルに生きようとする姿! 傑作長編小説。
原発事故のニュースを見ながら、自分の癌に放射線治療を受ける――表題作「光線」をはじめ、震災後の生き方を短篇の名手が問う八篇。
東日本大震災後に癌が発覚。自身の病気と天災がもたらした不幸が重なりあうとき、作家は何を感じたのか? 心に深く沁み入る8篇
「愚かな老女よ」。娘のお腹のなかの赤ん坊が、突然マサヨに語りかけてきた。彼はいったい何者なのか。生命誕生の神秘を描く傑作
十七世紀、強制連行された朝鮮人陶工が死んだ。火葬か土葬か、読経か哭踊か。村の大騒動を描く歴史物語。芸術選奨文部大臣賞受賞
老婆の「当たり屋」が大勢いるという噂を確かめるべく、玄界灘の小島を訪れたわたしが目にした光景とは――。「望潮」他六篇収録
慶長の役で日本に連れてこられた朝鮮人陶工たちは、和朝の文化対立をどんな知恵で生き抜いたか? 各紙文芸時評で絶賛された話題作
ノアの方舟に倣ってありとある動物を集め、地にわが子を満たすべく出産に励む女。一読驚嘆、忘却不能。紫式部文学賞受賞傑作短篇集
押伏村には、六十歳を越えると蕨野へ棄てられる掟がある。今年は総勢九人、悲惨で滑稽な蕨野生活が始まった。芥川賞作家の野心作
宙吊りの自転車に乗る? 表題作をはじめ十二の奇妙な小説世界。非日常へ誘う筆者のシュールな魅力を存分に発揮した出色の短篇集
その夏、少女は初めて大人の秘密に、生きる哀しみにふれた。ひと夏をともに過ごす祖母と孫たちの心の交流を描く芥川賞受賞作。「鍋の中」「水中の声」「熱愛」「盟友」収録。(川村湊)
愛とか恋とかに捉われない関係、自然でおおらかな生き方。ともに暮らして人間の真実にふれた若いふたりの女を描く表題作ほか二篇
既刊十三巻をうけ最近回第百回までの作家、米谷ふみ子、村田喜代子、池澤夏樹、三浦清宏、新井満、南木佳士、李良枝の受賞作を収録
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