井沢釈華の背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、歩道に靴底を引きずって歩くことをしなくなって、もうすぐ30年になる。
両親が終の棲家として遺したグループホームの、十畳ほどの部屋から釈華は、某有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。
ところがある日、グループホームのヘルパー・田中に、Twitterのアカウントを知られていることが発覚し——。
「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。
打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。
——村田沙耶香
小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、
読後しばらく生きた心地がしなかった。
——金原ひとみ
文字に刻まれた肉体を通して、
書くという行為への怨嗟と快楽、
その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。
——青山七恵
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす——。
井沢釈華の背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、歩道に靴底を引きずって歩くことをしなくなって、もうすぐ30年になる。
両親が終の棲家として遺したグループホームの、十畳ほどの部屋から釈華は、某有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。
ところがある日、グループホームのヘルパー・田中に、Twitterのアカウントを知られていることが発覚し——。
【本の話ポッドキャスト🎙文學界presents文学への道】
番外編・芥川賞候補作「ハンチバック」「それは誠」の魅力
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打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。
村田沙耶香
小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、読後しばらく生きた心地がしなかった。
金原ひとみ
文字に刻まれた肉体を通して、書くという行為への怨嗟と快楽、その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。
青山七恵
すごいもの読んだ…内容にも文章にも圧倒されて感想が言葉にならない。文章がとても強くて、油断してるとぶん殴ってくる。
川俣めぐみ(紀伊國屋書店横浜店)
もちろんヘビーな内容だがどこか愉快で痛快でもあり、ワクワクするような気分とズドンと突き落とされるような気分の両方が同時に来る不思議な読了感を味わっている。
花田菜々子(蟹ブックス)
どこにもないわきあがるものがここにあった。読んだというよりその叫びを容赦なく叩き込められた。自分が受けた心の痛みは著者にとっては糞だろう。糞みたいな痛み、初めての痛みが鈍痛のように貫き続けている。
山中真理(ジュンク堂書店滋賀草津店)