ノルウェーの極地探検家、ロアール・アムンゼンは、一九〇三年北磁極に到達した。そのまま太平洋まで航海を続け、ヨーロッパの人々にとって長年の悲願だった北西航路樹立に成功する。
しかし、当初計画していた北極点到達はピアリーに先を越されて断念し、南極到達一番乗りを目指すことになる。
一九一一年、犬ぞりで南極点に向かい、ライバルのイギリス海軍大佐スコットに先んじて人類史上初の南極点到達に成功、探検家として世界史にその名をとどめた。
昭和二年(一九二七年)六月、報知新聞の招きにより来日。各地で講演し、昭和天皇にも謁見した。写真はこのとき撮影されたものと思われる。
アムンゼンは翌一九二八年、北極を飛行機で探検。同僚のノビレ遭難の知らせを聞いて捜索に向かったが、そのまま行方不明となった。