小中学生のファンも多い、ユーモアミステリー作家の東川篤哉さん。今回は「魔法使い」シリーズ第二弾『魔法使いと刑事たちの夏』刊行を記念して、ミステリー好きで知られるこども作家、キリカさんと作品について話してもらいました。二人の年齢差は、驚異の35歳。対談の行方は……?
小学生が東川作品を選ぶ理由とは
キリカ (飲み物を選びながら)ココアかオレンジジュースかな。ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な。
東川 さすが小学生ですね。「どちらにしようかな」って久しぶりに聞きました。キリカさんは、4年生でしたっけ?
キリカ そう。4年生。10歳です。
東川 10歳……そうですか。いつもその髪型なんですか? ツインテールにしていますが。
キリカ ううん。今日は暑かったから。それから、ゴムが2つで100円だったから。
東川 すごい理由ですね。さて、今回は新刊『魔法使いと刑事たちの夏』を読んでくださったということですが、どうでしたか? ぜひ忌憚のないご意見を。
キリカ このシリーズの『魔法使いは完全犯罪の夢を見るか?』も読んだけど、それと同じで、面白かったです。
東川 ああ、それは何よりです。ありがとうございます。
キリカ でもなんか……。
東川 でもなんか?
キリカ 良くなったも悪くなったもないっていうか……。
東川 (爆笑)
キリカ 同じくらいの面白さですね。
東川 なかなか辛辣ですが、その通りだと思います。
キリカ 良い意味で。良い意味でね! 新しい事件は面白かったし、知っている登場人物のその後が読めたのも嬉しかったですよ。『完全犯罪の夢を見るか?』ではマリィと小山田刑事の間に、ちょっと距離があって。
東川 確かにそうでした。
キリカ 今回は長年一緒にやってきた感が。
東川 ちょっと相棒っぽくなりましたよね。この「魔法使いシリーズ」には魔法使いが出てきますが、その設定はどう思いますか?
キリカ 「魔法使い」って見たときに、まず面白そうだなって思いました! 表紙も女の子が箒に乗っているイラストで、殺人事件が起きる本とは思えなかったから、どう関連していくのか気になって。
東川 ギャップがあったということですね。良かった。
キリカ 魔法使いと刑事っていうのは今まで見たことがない組み合わせだったから、先が気になるし、普通は一冊に一人しか出てこないような個性の強いキャラクターたちが集まるからこそ、面白い話が続いていく。すごく頑張っているなって思います。
東川 (笑)頑張った甲斐がありました。ありがとうございます。僕の作品は、このほかにも読んでくれているのでしょうか。
キリカ 『謎解きはディナーのあとで』は読んだし、あと、あれ、クーラー!
東川 霧ヶ峰涼のシリーズですね(『放課後はミステリーとともに』など)。正確には「霧ヶ峰」はエアコンですが。
キリカ 東川先生の作品はどれも、これは東川先生の作品!って分かる。他の作家さんだと、書いた人が違うんじゃないの?みたいに思うこともあるけど……。
東川 僕のはどれを読んでも、作風は似たようなものです。
キリカ みんな同じくらいの面白さがあるから、安心して読めますね。
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