2009.01.20 インタビューほか

騙(だま)し合いの果て、金塊はどこに

「本の話」編集部

『煙霞』 (黒川博行 著)

騙(だま)し合いの果て、金塊はどこに

──黒川博行さんの新刊『煙霞』は関西の私立高校にまとわり付く怪しい面々が暗躍する痛快なコン・ゲームです。学園が主要な題材というのは、かつて高校教師だった黒川さんの経験が生きているのですね。

黒川 意外と思われるかもしれませんが、教師の世界を書いたのは初めてです。辞めて二十年やから、だいぶ教師のことを忘れてましたけど、昔使っていた時間割や年間教程表みたいのを出してきて、そういうのを見ながら思い出しつつ書きました。

   で、僕の行ってたのは私学ではなく、公立高校でしたから、私学がどういうふうになっているのかわかりにくくて、何遍か取材にも行きました。

──学校って私立も公立も同じように考えますが、お金の動きは全く違うんですね。私学をもってこられたのはその辺からでしょうか。

黒川  それもありますね。私学の理事長とか理事とかは、利権が絡んできますから。関係者から悪い話を聞きますね。怪文書みたいなんが出回ったり、ゴシップ誌には私学の内紛とか沢山出てますね。そういうのを資料にしました。

──教員を辞められて二十年、初めて学校を題材に書かれたわけですが、そのきっかけはどんなものだったんでしょうか。

黒川  きっかけもモデルもありません。とにかく新聞連載が始まるので何か書かないといけなかったんです。

──大阪が舞台ですが、そのキタやミナミ、近畿圏以外の読者はキタとミナミのイメージの相違というのがわからないと思うのですが。

黒川  キタ、北新地は東京でいったら銀座ですわ。高級感もありますけど、社用族の街です。ミナミ、難波一帯は新宿・歌舞伎町ですかね。風俗もあるし。北新地には風俗はないです。風俗だけは入れんようにしてますね。ミナミは何でもありです。でも本当に高級なクラブはミナミにあるんですよ。キタは社用ですから、あんまり無茶苦茶な値段では行かへん。個人事業主でものすごく金を持ってる連中はミナミへ行く。ミナミは両極端ですね。ミナミは六本木とか赤坂とかも入っているかもしれませんね。 

煙霞
黒川 博行・著

定価:1750円(税込)

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