ピンクのトイレも登場
高砂 今回の本はほとんどが撮りおろしで、ストックフォトはほとんど使ってないですね。
山下 色だけをテーマに、わざわざハワイまで行ったりしないからね。でも、ひとつのことにこだわって旅をすると、今まで気づかなかったようなことが目に入ってきて面白いね。
高砂 ピンクのトイレまで撮りましたから(笑)。
山下 色でくくらなきゃ、絶対、登場しないよ。
高砂 トイレ特集なんかどこの雑誌もやりませんからね。
山下 ロイヤル・ハワイアン・ホテルのおじさんが着ている、ピンク色のユニフォームとかね。色がテーマだからこそ、人物にイルカ、天然記念物の希少植物からトイレまで、ありとあらゆる事象を紹介することができたわけ。
高砂 ビーチひとつとっても、「ブラック・サンド・ビーチ」「グリーン・サンド・ビーチ」「レッド・サンド・ビーチ」と砂浜の色にこだわって紹介していますしね。
山下 なかでも、マウイ島の「レッド・サンド・ビーチ」は迷ったね。一時間くらい右往左往して、あやうく途中で帰るところだった。
高砂 すれちがった人に聞いたら、「こっちだよ」って教えてもらって、一山越えたら、あったんですよね。
山下 その秘密のビーチは、本書でじっくりご覧いただくとして――。僕が初めてハワイに行ったのは、四半世紀以上も前の十二歳の頃。でも、いまだに訪れるたびに驚きや発見がある。最初は島が進歩しているからだと思ってたんだけど、むしろ変わっていない部分こそが新鮮なんじゃないか、と最近では思うようになってきた。昔の映画館とか蒸気機関車とか、これだけ昔のものが残っているのはすごいよ。
高砂 「ハワイ、つまんなかったよ。何もなかったよ」って言う人がいるけど、大ウソですよ。そういう人はワイキキしか見てないんですよ。
山下 ワイキキだけは毎年のように変わっているから、そこしか行かない人にとっては、「なーんだ、東京と変わらないじゃないか」と思うかもね。でも、ほかの場所にはちゃんと昔ながらのハワイが残っている。それは、年間何百万人もの観光客が来ていても変わらない。それこそが、ハワイが「永遠のリゾート」と呼ばれるゆえんじゃないのかな。
高砂 それに、ハワイアンにはアロハというおもてなしの心があるでしょ。笑顔で旅行者を受け入れてくれますからね。
山下 海外の旅行雑誌を読むと、リゾートやホテルのランキングで、ハワイがつねに上位を占めている。本土のアメリカ人にとってはマイアミやカリブの方が時差もないし過ごしやすいはずなのに、やっぱりハワイにやってくる。
高砂 日本人にとってはハワイは身近な存在だけど、他の国の人にとっては一生に一度は行きたい、憧れのリゾートなんですよね。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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