山下 今回、色をテーマに、“ハワイ番長”の我々ふたりが、二週間にわたってハワイ中の島々を旅したわけです。
高砂 出発前は、どれだけの色が集まるんだろうと、実はかなり不安だったんです。
山下 ハワイには何十回も行ってるけれど、色がメインの取材はお互いに初めてだったからね。
高砂 実際に現地に行ったら、予想以上にカラフルな写真がたくさん撮れて、びっくりしました。
山下 ハワイのシンボルカラーである虹色を筆頭に、ホワイト、グリーン、ブルー、ピンク、レッド、オレンジ、イエロー、ブラック……。
高砂 それにゴールドやシルバー、セピア色まで撮りましたからね。
山下 色ごとに、ハワイならではの自然や建物、食べ物やグッズを集めた。その成果が、本書『色で旅するハワイ』というわけです。ちなみに、高砂さん、ハワイって北から南まで何kmあるか知ってます?
高砂 さあ……?
山下 ハワイ諸島の主要な島のうち、北のカウアイ島から南のハワイ島まで、約七〇〇km。日本列島(約三〇〇〇km)より全然狭い。でも、その中に、珊瑚礁から原生林、溶岩から雪山まで、ありとあらゆる自然現象が詰まっている。モノの本によると、地球環境の八割がハワイには存在するらしいよ。
高砂 だから、色が豊かなんだ。ハワイ島のマウナケアへは到着した日に行きましたけれど、標高四二〇五mの山頂は一面の銀世界。「ここ、本当にハワイ?」って感じでしたね。
山下 でも、寒かったねー。マイナス一〇℃。手がかじかんでしまって。前日はもっと寒くて、マイナス二〇℃だったらしい。
高砂 その点、僕は防寒対策バッチリで行きましたから。
山下 あれ? 頂上に着いたとたん、小走りだったじゃない(笑)。高山病で倒れるかと思ったけど。
高砂 あんなに寒くちゃ、高山病なんか気にしちゃいられませんよ(笑)。