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自分らしいDIYのすすめ

自分らしいDIYのすすめ

文:イェンス・イェンセン (北欧料理家)

『イェンセン家のマンションDIY~北欧、手づくりの暮らし』 (イェンス・イェンセン 著)


ジャンル : #趣味・実用

 現在、ボクは東京の都心にある築30年の中古マンションに家族4人で暮らしています。6年前、ボクと妻のマリコはあえてリフォーム前の物件を選び、DIYを重ねてきました。マンションらしい無機質な質感のキッチン扉や棚に、温かみのある木材を使って劇的DIYを施したり、ちょっとした隙間を収納に変えたり……、見た目が気分いいように、そして使い勝手が良くなるように少しずつ手直しして、我が家らしい部屋に変えてきました。もちろんプロに頼んだ方がきれいに仕上がるかもしれないけど、自分たちの手で作ったんだっていう家族の気持ちは大事な記念にもなるんです。また、手を動かすことによって、家で過ごす時間が今まで以上に楽しくなりますよ。

 では、「自分らしい部屋づくり」のために、ボクがやっていることを紹介します。ボクの場合は、デンマークの実家の影響もありますが、普段、散歩の途中にある家を眺めたり、雑誌のインテリア特集を見たり、レストランに食事に出かけた時などに、たくさんのヒントに出会います。例えば、レストランでお昼を食べている時。舌鼓を打ちながらも内装を観察。オレンジ色の壁に収納棚のブルーが映えていて、こういう色の組み合わせはかっこいいとか、間接照明の使い方がうまいとか、自分の好きなインテリアを常に意識して、細かく観察するんです。時には忘れないように、写真に撮っておいたりも。新しく棚を作る時には、ストックした記憶からどんな棚がいいか検討してアイデアを固めます。DIYアイデアのストックは、自分らしい部屋を作るための準備、つまりネタ集めなんです。

 真鍮のドアノブや取っ手、陶器のツマミやフックなど、様々なパーツもストックしています。古道具屋さんやホームセンターは素通りできません。こういうものは使いたい時に探しても、気に入るデザインを見つけるのは至難の業。だから、気に入ったものは出会った時に迷わず入手して「いつか」に備えておくのです。ひとつひとつは小さくとも、ドアノブを変えるだけで意外と部屋の印象は変わります。こうして「自分の好き」を積み重ねていくと、「我が家らしさ」がくっきり見えてくるわけですね。

 古くて味気ない内装だったうちのマンションは、DIYのおかげで「1軒家みたい」と友人に評されるマンションに変身しました。DIYをやってみようかなと思った人は、まず自分の家を改めて点検してみてください。壁の1面だけを違う色に塗り替えるだけで、部屋の雰囲気はガラリと変わりますし、安い合板を使ったDIYでも工夫次第で味が出ます。子どもができて2段ベッドがほしい、蔵書が増えたから新しい本棚を作りたいなど、暮らしの変化に応じて徐々に変えていけるのがDIYの魅力です。また、こういう時代だからこそ、ひとり暮らしの人でも、棚をつけたりゆるんだネジを直したり、そんなことが自分の手でできれば心強いと思うんです。さあ、本書を手に、自分らしいDIYライフをスタートしてみてくださいね!

イェンセン家のマンションDIY
イェンス・イェンセン・著

定価:1350円(税込) 発売日:2011年07月14日

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  • 『赤毛のアン論』松本侑子・著

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