星野源さんに「文春文庫 秋の100冊 2015」の中からオススメの本を紹介していただきました。音楽家、俳優、文筆家と多彩な面をもつ星野さんならでは視点も語っていただきました。
『テロリストのパラソル』藤原伊織
一人称の見事な語り口に惹かれました。
実は、三人称の小説が少し苦手なんです。時に作者の主観が入ったりして、視点がブレることがあるから、それがどうしても気になってしまう。
この物語の主人公であるバーテンダーの島村圭介は、ものすごく用心深く人生を送ってきたという設定なので、非常に描写が細かい。
ボヤッとした性格の主人公なのに、なぜかやけに物事をきっちり記憶している小説もありますが、この物語にはそういった違和感がほとんどありません。一人称と描写がガチガチッと完璧にはまっている。だからこそ読みやすい。
舞台となる時代が現在と過去を行ったり来たりするものの、構成の複雑さを意識させず、先の気になるストーリーに没入することができました。
こんな面白くてスリリングな物語の主人公をいつか演じてみたいものです。
『父の詫び状』向田邦子
向田さんの簡潔な言葉の裏側には、男とは、女とは、人間とは、といった深い洞察が広がっているように感じます。自分の歌詞もそうでありたいと思っています。
『働く男』星野源
この本を書いたのは、クモ膜下出血で倒れる前のこと。闘病生活を送ってみて、「働く」ことに関する認識が変わりました。その思いを、文庫版のまえがきに書き下ろしで記しています。
プレゼント
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。