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書店員になって良かった!<br />これが書店の底力

書店員になって良かった!
これが書店の底力

「本の話」編集部

本当にすごい書店員とは

この書店員すごいと思う人はいますか。(栃木県 20代 女性)

内田剛(三省堂書店神田神保町本店)

 います。たくさんいます。しかしすごい書店員以上に、すごいお客様が本当にたくさんいらっしゃり日々修行中です。

 

 

高橋佐和子(山下書店南行徳店)

 前向きな書店員さんに刺激をもらったときや、アイデアが溢れている人、接客が丁寧な方や、知識が豊富な方を本や帯で見かけて実際にお店に行ったり、イベントなどでお会いして、「すごい人だ」と思う方は何人もいらっしゃいます。本屋はすごい人の宝庫です。個性がたくさんあるんです!

 

富田結衣子(文教堂書店代々木上原駅店)

 基本的に、書店員さんは皆様すごいと思っています。棚の作り方がすごい書店員さんもいらっしゃいますし、POPがすごい書店員さんも、接客が素晴らしいなと感じる書店員さんも、本の扱いが丁寧な書店員さんも、自分のジャンルは勿論、それ以外のジャンルのことにも詳しい書店員さんも、作業が早い書店員さんも、皆様すごいなー、と思っています。
 お客様から見れば同じなのかもしれませんが、単に書店で働いているからといって書店員なわけではないのだな、ということを最近感じるようになりました。
 書店で働いているうちに、徐々に書店員になっていくのではないか、と思います。

 

書店員になってよかったことは? (神奈川県 30代 女性)

内田剛(三省堂書店神田神保町本店)

 書店員の仕事は伝えることと繋げること。こういう素敵なアンケートの場で皆様と交流ができること、これに尽きますね。うん。 

 

高橋佐和子(山下書店南行徳店)

 本を通じて、人と出会えたこと。自分の世界が広がったこと。自分が見えなくなり、偶然手に取った本の中に欲しかった言葉があるという感動を味わえること。

 

岡一雅(MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店)

 レジや検品、棚メンテなど普段の業務を通して、面白そうな本に気づく・触れる機会が増えたことです。元々自分の興味関心があるテーマやジャンル以外に積極的に手を出すような事が殆どなかったので、お陰で以前より視野が広がったと思います。

 

二村知子(隆祥館書店)

 一昨年から「作家さんとの集い」という会を企画しています。作家さんの思いを読者に、また、読者の感想を作家さんに直接伝えあうことができたらと30名~50名のアットホームな集いから始め、180名規模の時もあります。 「本」をもとにして、地域のお客様からの要望をお聞きし、作家さんに交渉します。小説を書かれている作家さんはもちろん、その時、気になる、知っておかなければならない事柄、例えば、原子力の研究をされてきた専門家、京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生をお呼びしたこともあります。『熊取六人組』(細見周/岩波書店)など、スポンサーなどの関係でメディアで大きく報道されなくとも「本」の形でメッセージを出されているものを揃え、本当のことを知りたい多くの方々の要求に応えるべく、あらゆる本のイベントの企画をしています。おかげで、色々な分野の専門家の話を、直接教えていただくことができるので、書店員になってよかったと思います。

 

山本善之(くまざわ書店大手町店)

 私が初めて出会った本屋はひかり書房という地元の本屋でした。友人の中村君宅で中村君をほったらかしてコロコロコミックを熟読した結果、呆れ顔で「コロコロくらい自分で買え」と言われて、「そうだ自分で買えばよかったのか」と貯金箱の十円玉をかき集めて自転車で買いに行ったのが初めての買い物ですし、後に『週刊 恐竜サウルス!』創刊号100円を500円図書券でお釣り目当てに中村君と買いに行ったのもひかり書房です。私の思い出には、やたらとこの本屋が登場するわけですが、現在はもうひかり書房は閉店してしまいました。
 自分の力を費やして運営している店が、些細でも誰かの思い出の中に残ること。縮小してきているこの業界で、本屋という空間を残そうと踏ん張り続けていること。幸運にもそれに参加できていること自体が、私にとっては最もよかったことです。

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