- 2013.01.10
- インタビュー・対談
[刊行記念対談]
島田雅彦×ヤマザキマリ
美女ほど不幸の蜜を吸う? 『傾国子女』白草千春的・女の生き方
「本の話」編集部
『傾国子女』(島田雅彦 著)
ジャンル :
#小説
――島田さんの小説『傾国子女』の単行本に、『テルマエ・ロマエ』のヤマザキさんが装画を手がける、というちょっと意外なコラボレーションが実現しました。お二人の出会いについて教えてください。
島田 2012年3月にパリで開かれた書籍展「サロン・ド・リーブル」に、僕もヤマザキさんも招待されていたんです。そこで「島田さんのデビュー作の『優しいサヨクのための嬉遊曲』を初版で読んでいるんです」と告白されました。僕が22のときに書いた作品だから、ヤマザキさんはそのころ高校生です。ずいぶんませていたんですね(笑)。
ヤマザキ もうませまくりです。中学のときからコクトーや三島を読んでいましたから。なぜ『サヨク』を本屋で手にとったかは覚えてませんけど、島田さんのこれまでの作品はすべて読んでます。
島田 実は、前から漫画家の人と仕事をしてみたいと思ってたんです。小説では人物の容貌についてはそんなに詳しく書かずに、癖や口調で特徴を出すでしょう。でも漫画の場合はある骨格をもった画像として提出しないといけない。昔ながらの小説の読者はキャラクター的なイメージはいらないと言うかもしれないけれど、江戸期の滑稽本や黄表紙には挿絵が入っていた。この『傾国子女』のモチーフになった西鶴の『好色一代女』もそうでした。
ヤマザキ 島田さんに「描きませんか?」と言われたとき、ちょっと絵草紙屋になった気分がしました(笑)。その時は小説がどんな内容かまだ知らないし、『テルマエ・ロマエ』みたいな絵柄がマッチするかも分からないけれど、ご要望に応じて色々なパターンの絵は描けますから。何よりデビュー作を読んだ作家に会うことが自分の人生であるなんて、思いもしなかった。これは面白そう、という直感ですね。
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