書評

スピリチュアルブームの終焉

文: 樫尾 直樹 (慶応義塾大学准教授)

『スピリチュアル・ライフのすすめ』 (樫尾直樹 著)

  そもそも「スピリチュアル」とは、宗教の本質であり、核心である。つまり、私たちは、宇宙という全体的世界=マクロコスモスに含みこまれる形で、それとひとつであり、同時に、私たちの中にはその全体的宇宙=ミクロコスモスが生きている、という意識である。先に述べた「自分と他者との一体性の意識」とはこれと同じである。

  昨年九月に江原氏の『オーラの泉』というテレビ番組は放送を終了した。もちろん、だからと言って、日本人のスピリチュアル理解が改まったわけではないが、私としてはこれをいい機会と認識して、スピリチュアルブームの終焉を加速させたいと切実に思い、本書を書いた。

  本当の幸せは、江原氏のような霊能祈祷師に霊視してもらったり、最近流行のパワーストーンを買ったり、オーラを測定してもらったりしてやってくるのではけっしてない。

  心の不安や孤独という人生の根本問題は、壺や印鑑を購入したり、怪しいセラピーやヒーリングをやったりしてもけっして解決しない。

  では、どうしたらいいのだろう? 

  そこで、私が提案したいのが、人類の精神文化の「世界遺産」である宗教伝統が長い歴史の中で培(つちか)ってきた、坐禅や呼吸法やヨーガをやりましょう、ということである。

  本書では、私が毎朝行っている、祈り、ヨーガの体位体操、呼吸法、坐禅、ウォーキングメディテーションとしての経行(きんひん)をはじめ、その他いろいろな瞑想法のノウハウを紹介している。じっさい私は、これらのからだのエクササイズで、心身に大きな変化が起こった。新陳代謝がよくなり、疲れにくいからだになっただけではなく、不安からも解放されて、リラックスして充実した毎日を送れるようになった。

  このエクササイズを応用すると、子育ての悩みや職場の人間関係のトラブルを解決することもできる。

  こうした生活が本当の意味で「スピリチュアル」なのである。

  みなさんも、一緒に「スピリチュアル・ライフ」をはじめてみませんか?

スピリチュアル・ライフのすすめ
樫尾 直樹・著

定価:756円(税込) 発売日:2010年05月20日

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