高校生直木賞 参加25校の代表生徒たちの声(2)

高校生直木賞

高校生直木賞

高校生直木賞 参加25校の代表生徒たちの声(2)

第5回 高校生直木賞全国大会

直近一年間の直木賞候補から「今年の一作」を選ぶ試みである高校生直木賞。5月6日に開催された第5回の本選考会では、25校の代表者が全国から集って議論が行われ、彩瀬まるさんの『くちなし』が選ばれました。同世代の友と小説について語り合うことを経験した25人の生徒たちの感想文を3回にわけて掲載します。

成城高等学校(東京) 各務航太「読書は無限」

 僕は、読書が好きかと言われたら答えはNOだ。そんな僕がこの「高校生直木賞」に参加した理由は、「食わず嫌い」を無くしたかったからだ。本と僕の間には謎の距離があった。

 5月6日の選考会で僕は大きな発見をした。それは本の無限性である。「十人十色」とあるように、一人一人自分の考えや好みが異なると頭では分かっていても、実際に生でその意見を聞くと、奇想天外な意見をいくつも聞いた。今まで、自分の考えで完結していた僕は、驚きの連続であった。読書の醍醐味はもしかしたら、本を読むことよりも他者の視点を共有することなのかもしれない。そんな無限の世界を持つ本に、何か煌めいたものを感じた。

 選考会終了後、もう一度本を読み返したい衝動に駆られた。理由が分からないがとにかく、本との距離が縮んだのではないかと思う。また、自分の視点を他者はどんな風に感じているのだろう、あの人だったらこの場面はどんな風に捉えるのだろうと、思案を巡らす日々が続いている。

筑波大学附属駒場高等学校(東京) 栗原瑛介「みんなで一つのことを成し遂げてワクワクした」

 高校生直木賞で経験した主な活動のうち1つ目は、候補作を読んだこと。2つ目は学校の仲間と本について話し合ってどれを選ぶか決めたこと。最後は実際に会場に行って他の学校の参加者たちと話し合おうと試みたことです。

 1つ目の本を読むということですが前提として自分はこの企画に参加するような人の中では読書量が少ないだろうというのもありますが、なかなか普段読まないような本が多く、単に読むだけでも十分過ぎるほど為になりました。

 2つ目の友達と一緒に話し合ったというのは、やはり誰か他の人と共有することで見えてくるものがあるので本当に楽しめました。また、みんなで一つのことを成し遂げている感じでワクワクしました。

 最後の他の学校との話し合いは、正直なところ沢山言いたいこと言わなくてはいけないことあった気がするのに、気づいたら終わっていたので後から少し後悔しました。しかし終わってしまったことはどうにもならないので、やっぱりこういう特別な場所でも積極的に発言出来る人は凄いしそうなりたいと思って、次の機会に生かして行きたいと思いました。

 結局いつものように積極性は大事って言ってる気が自分の中でしてます。行事とかに積極的に参加していきたいと何かにつけて思って、参加はするものの心は臆病なのかなんなのか訳の分からないものに怖がっているままで成長していない気がしているんです。それでも、きっと自分は繰り返すことで成長すると僕は信じます。


■芝高等学校(東京) 日浅翔太郎「参加者の本への情熱が凄かった」
■聖学院高等学校(東京) 上甲希央「感受性の違いがおもしろい」
■成城高等学校(東京) 各務航太「読書は無限」
■筑波大学附属駒場高等学校(東京) 栗原瑛介「みんなで一つのことを成し遂げてワクワクした」
■田園調布学園高等部(東京) 小林紗矢「この世には様々な本の読み方がある」
■東京女学館高等学校(東京) 嶋菜々美「高校生直木賞は新しいスポーツだ」
■豊島岡女子学園高等学校(東京) 岡夏希「この経験を大人になって思い出したい」
■都立青山高等学校(東京) 田中希美「これからは能動的な読書に挑戦したい」

くちなし彩瀬まる

定価:1,540円(税込)発売日:2017年10月26日