
- 2025.07.14
- 特集
「付加価値なんか無くてもひとはそのままで充分。」 書店員さんから続々と感想が到着! 寺地はるなさん最新刊『リボンちゃん』
『リボンちゃん』(寺地 はるな)
ジャンル :
#小説
作家デビュー10周年を迎える寺地はるなさん。最新刊『リボンちゃん』は、街の小さなテーラーを舞台に、読む人の心をそっと解きほぐす物語です。全国の書店員さんから届いた熱烈なメッセージ、第2弾です!

宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
リボンちゃんである百花が自分の考えの芯がブレずに過ごしているところがとても好きだ。えみちゃんとの会話で「わからなくて、おもしろいなって思う」と言うセリフにハッとさせられた。つい「わかるー」と言いがちな自分にちょっと反省。わかる時はわかる、でもわからない時もあると言えるようになりたい。読んでいて百花の考え方、感情がとても心地よくてあっという間に引き込まれてしまった。ずっと読んでいたいのに読み終わった時の喪失感。でもどこかで生活している百花たちのことを思うと幸せな気持ちになれる。
◇
未来屋書店八事店 村瀬さん
好きです! リボンちゃんに出会えてよかった、こんな素敵な本に出会えて良かった。小さな頃のように、また何か作ってみようかな。
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コメリ書房鈴鹿店 森田洋子さん
無理して大きな夢を持たなくてもいいし、ほどけたリボンは結び直せばいい。毎日の息苦しさから解放されるような内容のお話に私自身も肩の力が抜けるような気がしました。リボンちゃんの自然体な姿は周りの人達にそっと寄り添ってくれますね。寺地先生のお話ってほんと沁みます。
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文真堂書店ビバモール本庄店 新井さゆりさん
ふわっと不思議で、あたたかくて、じんわり心に染みる。そんな物語から、ジェンダーや、らしさってもっと自由でいいんだ、という静かな強さをもらいました。ほどき直す一針に、思い込みの縫い目までもがほどかれていく。リボンちゃんの、肯定も否定もせず、ただ目の前に向き合う包容力に、静かに撃たれます。誰かの優しさに、そっと触れたような読後感でした。
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福岡金文堂志摩店 伊賀理江子さん
このお話、すごく好きだ。日々生活するなかでなんとなくいいなと思うもの、理由は無いけど心惹かれるもの、好きなものを増やしていこうと思えた。周りの目を気にして行動を変えるのではなく、自分の気持ちだけで行動できたら理想だなと思う。大人になるほど、それはとても難しいことだけど。でも自分の感覚を大切に、雑に扱うことのないようにしていきたいと強く思った。頑張るときも頑張らないときも自分なんだ。「ああ、やっぱり、リボンちゃんだね」このシーン、涙が出た。付加価値なんか無くてもひとはそのままで充分。そのまんまで、様々で、魅力的だ。周りのひとを、これから出会うはずのひとを、愛おしく思える作品だった。
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精文館書店豊明店 近藤綾子さん
「普通じゃなきゃいけない」って言われていたこともあったし、いつからか、「個性が大事」と言われるようにもなった。そんなことにいちいち振り回されることもなく、そして、格好つけることなく、自分は自分でいいんだよっと、軽やかに教えてくれる。「自然淘汰」だって、たまたまなんだもん。何か特別なことがある訳じゃない。えみちゃんと同様、何だかホッとした。
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明林堂書店浮之城店 大塚亮一さん
人と合わせて生きることを物心つくころから、教わってきたこの国。きっとそのほうが楽だし無難に歳を重ねていけるだろう。でもそれができない人はどうする? そんな疑問をこのリボンちゃんが教えてくれる。自分らしさとは? ゆっくりマイペースで一歩づつ進んでいけばよいんだよと優しく肯定してくれるそんな心がほっこりする、今なんかうまくいかないなあーと思ってる人に届く救済の物語。
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SuperKaBoS鯖江店 峯森和代さん
周囲の目や年齢が気になるから、好きなものをずっと手放さないでいるのはむずかしい。好きなものは好きなまま、やりたいことがみつかったらやってみる。そんなリボンちゃんの生き方が素敵。絵本のようなタイトルから、ふわっとした物語なのかな? と思ったけれど(寺地はるなさんなのでそんなわけなく)しっかり考えさせられる物語だった。
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ブックマルシェ我孫子店 渡邉森夫さん
協調性も個性もどちらも窮屈な物差しだと感じている。リボンちゃんはその間を颯爽と闊歩していくように映る。自分が何者かと問うよりも、自分がどれだけ快適にいられるかということこそ探している自分なのかもしれない。
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水嶋書房くずはモール店 和田章子さん
個人の尊重」や「多様性」といった言葉は、口にするのは簡単だけれど、心の底からストンと腑に落ちることはなかなかありません。ましてや、社会全体でそうした考えが共有されるなんて、夢のまた夢だと思っていました。けれど、この小説には、それを実感させてくれる力があると強く感じました。加代子が幼い百花に言った「親は他人。自分じゃない人は、全員他人」という言葉。子どもは親の所有物ではないし、親が子どものためにすべてを差し出すことが正解でもない。この一見冷たいようでいて、深い愛情を含んだ一言にハッとさせられました。百花は誰かに対して「うらやましい」「あの人のようになりたい」と思ったことがない。強く何かを求めた経験もない。新しいことを始めるときは、「今、やりたいからやってみる」。夢がないことを恥じたこともない。その姿勢に触れたことで、「夢をもちなさいハラスメント」がふわっとほどけていくような感覚を覚えました。人との関係も、強く結ばれたり、ゆるく解かれたり、また結ばれたり。そのときどきで形を変えるリボンのように生きていく…。この作品を通して、「自由」という言葉の意味が、私の中でひとつ増えた気がします。
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宮沢書店TSUTAYAイオンタウン館山店 新藤幸代さん
最後のほうで、えみちゃんが百花にリボンみたいな人ですねと、ありったけの語彙を使って伝えようとするシーンが大好きです。いつの時代も好きを貫き通すって大変なんだなと、夢ってなくてもいつの間にか過ごしている間に叶えてたりするのかなと。
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大盛堂書店 山本亮さん
たとえ独りであっても、無理に共感をしなくても、自分で自分の心の扉をノックして様子をうかがい、時々ちょっと他人に甘えながら生きることは許されるのではないか。ページをめくるたびに、それぞれのこれから歩んでいく幸せな道が広がっていくようだった。
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くまざわ書店調布店 山下真央さん
リボンをほどくように、常識や固定観念がほどけていく。作中リボンや、ビスチェ、スリップなど女性らしい柔らかい存在が出てくる。しかし出てくる女性たちは、柔らかいだけではなく芯の強さを合わせ持っている。柔らかく包み込んでくれつつも、自分が一歩踏み出すための勇気を与えてくれる物語だと思いました。
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未来屋書店武蔵狭山店 柴田路子さん
百花さんはとても自然体な人だ言葉少なく冷静沈着にみえたが心の中は色々考えていた。手芸のようにコツコツと手をかけ作品が出来上がる。百花さんの生き方は時間をかけて自分のやりたい事を探していたと思います。今からでも遅くはない焦る事ないよと声をかけてもらった気がします。
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紀伊國屋書店京橋店 坂上麻季さん
10周年おめでとうございます! 寺地さんの面白さと優しさとちょっとピリッとしたところと、全部が素敵にあふれた作品で、ものすごく良かったです! ちょっと離れたところから世界を見てるようなリボンちゃんの語り口が面白い~! ふとした瞬間の「あ、そうなんだ」となるモヤっと感、ハッと感、わかる~! 例えば私にとって「真面目だね」という言葉。心の底からの称賛だとわかっていても、べつに1ミリも嬉しくない。こう見られたいわけじゃないのにって思うけど、自分を簡単に変えることなんてできないし、淡々と、自分として生きていく。『リボンちゃん』は、こうなれたら素敵、なんて理想像を掲げたりはしない。人からみたら素敵なのに自分では気に入らないところ、人からみたらひっかかるけど自分には愛着があるところ。全部自分の中だけのことで、他人は全員自分じゃないし、もういいじゃないって言ってくれている気がしました。あと、「エミチャーンス!」のくだりがめちゃくちゃ微笑ましくてキュンでした!
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未来屋書店葛西店 宮澤早苗さん
どんな自分でもいい、本当に好きなものを大切にしたいと思わせてくれました。肩の力を抜いて読める、優しいお話でした。
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CHIENOWA BASE 鈴木智春さん
個性的な人を羨んで、自分らしさとは? って考えたり、人との付き合い方に悩んだり。でも「あなたはあなたのままでいいよ」押し付けがましくない、ふんわりと優しい絹のリボンのような物語でした。
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匿名
無理なくありのままの自分でいるリボンちゃんが、素敵でした。
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紀伊國屋書店笹塚店 小川由起さん
大きな布で大胆に包まれるのではなく、小さな、そして、大きなリボンでそっと飾り付けてくれる。自分にもちょっとだけ未来が明るくなるのかもと、ほんのりと心に栄養を貰える作品
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ジュンク堂書店旭川店 松村智子さん
風に吹かれてしなやかになびくようなリボンちゃんの肩肘張らない生き方、いいなぁ。自分の変化を自然に受け入れられるって実はけっこうスゴいと思います。西中嶋社長いい味。ウクレレぽろんサイコー笑
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未来屋書店四條畷店 川口真樹子さん
この落ち着いた気分はなんだろう。登場人物たちの心の強さが心地よく私もまた何か始めたくなった。ゆっくりじっくり考えてもいいもんね、そう思えた。
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未来屋書店成田店 高橋奈々美さん
百花さんがなぜ『リボンちゃん』と呼ばれる理由に納得です! 確かにリボンの種類もいっぱいあるし付けても可愛いし! 体操服入れだったり下着だったり物を作ったりするのが好きなんだなぁと思ったし、色んな方の人情? に気持ちがほんわかしました。読み終わった後は『そういえば自分のやりたい事や夢ってなんだろう?』と考えてしまいました(笑)
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文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子さん
肩の力を抜いて、私は私だからと言えるようになりたいな。私は、私がなりたい私になればいい。「堂々としていなさい」その言葉を心の糧にして。明日からは、周りの目ではなく、自分自身の目を意識しよう。なりたい自分になれたかどうか。日々確認してみよう。リボンちゃんのリボンを見つめながら。
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紀伊國屋書店名古屋空港店 土屋彩乃さん
夢がない平凡な生き方を肯定してくれる、それでいいんだよ、遅いことなんてないんだよって思わせてくれる…やっぱり寺地はるなさんの小説は、私が生きてく上で必要不可欠なものだと思いました。まず私は手芸が大の苦手(というかやりたくない)なので、リボンちゃんや加代子さんを尊敬しましたし、下着っていう他人に見せないものだったとしても、どんなに難しい依頼でもお客さんの思いに応えようと向き合う姿が素敵でした。でも、何よりもリボンちゃんの生き方がかっこよくて…! 自分に自信がなかったり、年齢を気にしだすと、髪飾りに限らず服とか身につけるもの全般、「これ素敵だし身につけてみたいけど、自分には厳しいかな」とか他人の目を気にしてしまうものだと思うので…他人にどう思われようが自分の生き方を貫くリボンちゃんに憧れました。p268の11行「自分の夢を見つけた! 信じたこの道を……」のセリフが最高に刺さりました。「今やりたいからやってみる」っていう言葉はお守りです! リボンちゃんと社長のやりとりが面白くて好きでした。リボンちゃんと福田さんに今後なにかしらの進展はあるのか…気になります。
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三洋堂書店新開橋店 山口智子さん
自分の感情を他人に押し付けないリボンちゃんは自分も他人も大切にできる人。自分の気持ちを確かめながらゆっくりと進んでいくリボンちゃんと、70歳を目前に長年諦めていた事に挑戦する覚悟を決めた加代子さん。2人とも大好きです。心地よい風に吹かれて息をするのが楽になるような物語でした。
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匿名
同い年の友達が家を買ったり、同じ職場の人が次々と新しいステップを踏み出すなか、ふと自分は10年後20年後も今のままだろうか、と漠然とした思いに耽ることが増えてきたところへ無理に方向転換しなくていいと教えてもらった気がします。
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蔦屋書店熊本三年坂 迫彩子さん
人から好かれる人になるのでなくて、自分を好きな自分になれるおまじないのような作品でした。どうやったらリボンちゃんみたいな人になれるかな、と思った時に本人や周りの人たちがとっても素敵な言葉や生き方のヒントを沢山くれます。すぐに同調せず、自分はどう思うのか感じるのかを誤魔化さずに考えるリボンちゃんの姿勢が、他人を否定したり突き放したりするようには見えないのが不思議でした。自分のカタチを自覚して他の人との境界線をはっきりさせることは、他の人を否定することではないのだと思います。自分の好きは自分で決めていい、でも迷ってもいいし、迷ってる人がいたらオススメしてあげるのもいい、ふわふわとしているのに結び目はぎゅっとしている素敵なリボンのような作品でした。
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宮脇書店境港店 林雅子さん
読後に、心の中がほっこり温かくなりました。そっと背中を押して一歩踏み出す手伝いをしてくれた。そんな気持ちになりました
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明屋書店豊前店 加来智美さん
それぞれにとっての心地よさも、自分にとっての心地よさも大切にしてるリボンちゃんはすごく素敵な人だと思いました。思っても押し付けないのがとても良いです。いいこと言おう、なんてしないところも大好きです。ふんわり優しい気持ちをいただきました。
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