- 2018.08.19
- インタビュー・対談
従業員は奴隷ではない──同世代の課題として、書かずにいられなかったテーマ
著者インタビュー 新庄耕『カトク 過重労働撲滅特別対策班』
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
━━新庄さんは、労働基準監督官を主人公にした今回の『カトク 過重労働撲滅特別対策班』以前にも、デビュー作『狭小邸宅』(不動産業)、第二作『ニューカルマ』(ネットワークビジネス)、と、現代のビジネスの現場を舞台にした小説を発表してきました。なぜこの分野に興味を持たれたのでしょうか?
新庄 私が大学を卒業して社会に出たのは2008年で、リーマンショックの年でした。
大学生活にはSNSが浸透しはじめていて、そうした新しい社会インフラを利用して個人で自立したり、起業したりする人がいる一方で、終身雇用や年功序列制が崩れ、自分の働き方を自己責任で問われた最初の世代かもしれません。
同世代には、はあちゅうさんのように時代の波をとらえ、ブロガーとして成功するようなひとがいる一方、大企業の看板や待遇に固執したあまり、就職活動に失敗して自死した同級生がいました。私自身は最初に入社したリクルートや、その後の会社でひどい目に遭ったことはありませんが、自分たちの世代の課題として、このテーマを選んだところはあります。
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