「司会者というのは自分の話をしない職業です」と語る通り、徳光和夫さんは、意外にもこれまでテレビやラジオで人生やプライベートの話をほとんどしてこなかった。
でも、半世紀以上も第一線でマイクを握る男の人生が面白くないはずがない! いざ聞いてみたら「私の話なんか、恐縮です」と言いつつ、次から次へと飛び出すスターの逸話や歴史的瞬間の目撃談、フリーアナとして独立した経緯、55年つれそう奥様との思い出……。80歳の節目に、徳光さんが初めて人生を総ざらいする本ができあがった。
取材・構成を手がけた、元「週刊文春」記者でジャーナリストの中村竜太郎さんに、1年以上にわたりインタビューを重ねて実感した「徳光和夫のここがスゴイ!」を聞いてみた。
(1)記憶力がスゴイ!
「少年時代も新人アナ時代も、昨日のことのように鮮明に覚えていて、しかも、さすが話術のプロ、再現力がただごとでない。あの時に美空ひばりさんがどうした、なんて場面でも仕草、表情から話した言葉の語尾まで、詳細な記憶を基に生き生きと話される。まるで徳光さんの脳内録画が、私の目の前に蜃気楼で浮かぶかのようです」
(2)やさしさがスゴイ!
「取材だと意気込んで対面しても、いつの間にか包み込まれるように和んでしまう。ステイ・ホームで増えたという奥様との時間の過ごし方など伺っていても、本当にやさしい方だと感じます。相手のありのまま、自然体を受け入れる包容力は、お人柄もあるでしょうが、臨機応変さが求められるアナウンサーの現場経験で培われたものなのかもしれません」
(3)自由さがスゴイ!
「長嶋茂雄さんにせよ歌謡曲にせよ、ご自分の好きなことにはストレートに全力。いつもの穏やかな表情がギャンブルの話題になった途端ギラギラするギャップは、年上の方に失礼ですが、かわいい(笑)。『路線バスで寄り道の旅』を見ていても、好奇心のおもむくままに行動されていて、あの自由さが若々しさの秘訣ではないかと思います」
「好きなことをやって生きるけど、迷惑もかけない。誰にでもできる生き方じゃないですが、徳光さんの気の持ちようを参考にすると、人生がちょっと楽しくなる気がします。太陽のような存在感は、ご自身が大好きな長嶋さんにも似ています。私の徳光さんの印象を一言にするとまさに『徳光和夫はアナウンサー界の長嶋茂雄だ!』ですね」
誰もが知っている徳光さんの、知られざる素顔。コミュニケーションの達人が語る、昭和・平成・令和の貴重な証言と、シニアまでずっと楽しく生きるためのコツが詰まった1冊だ。
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