本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
「読書感想文」を苦しまずに書くコツとは? 作家の額賀澪さんが最強メソッドを伝授。

「読書感想文」を苦しまずに書くコツとは? 作家の額賀澪さんが最強メソッドを伝授。

額賀 澪 (作家)


ジャンル : #小説

「悩んでいる人にまず知ってほしいのは、読書感想文は、“本のことを書くのではなくて、自分のことを書く作文”だということ。これに気づくと一気に書きやすくなると思います」

 額賀さんが、その極意に気づいたのは小学生のときだったという。

「私も以前は、本のあらすじを原稿用紙2枚くらいにまとめ、そのあとに自分の感想を書いていました。でもあるとき、読書感想文の攻略法を探すために入選した作品をいろいろ読んでみたところ、あらすじではなくて、自分の体験から始まっているものが多かった。それで、担任の先生からアドバイスをもらいつつ、その形式で書いてみたんです」

 結果、小学生の額賀さんが書いた読書感想文はコンクールで入選を果たす。

「本の内容を説明しなくていいんだ、こういう書き方が読書感想文なんだって気づきました。そもそも内容を要約することってすごく難しい。そこから本の素晴らしい点を見つけて、論理的に語るとなると、それはもう文庫本についている『解説』のレベルです。読書感想文というと、あらすじをまとめなきゃ、何か高尚なことを書かなくちゃ、というイメージを持っている人が多いですが、そんな難しい入り口から入っちゃだめ! と言いたいです」

 必要以上に苦しまずに書くためには、本の選び方も重要だと額賀さんは語る。

「読書感想文が書きやすい本として、よく若い人向けとされる名著があげられますが、普段本を読まない子が楽しめるかというと、かなり難しいと思うんです。本を嫌いにならないためにも、とにかく自分が楽しく読めそうな本を選んでほしい。読書に慣れていない人なら、極端な話、家にあったレシピ本や、『鬼滅の刃』のノベライズを読んだほうが、面白い感想文が書けると私は思っていて。『マンガを読んでいるので、小説もいけるかなって思って読みました』と書き始めてしまえば、マンガを貸してくれたクラスメイトのこととか、印象的だった台詞のこととか、書けることがきっとあるはずです」

 読書感想文への抵抗を減らし、本との幸せな出会いの場所に。作家である額賀さんが教える意義がそこにある。

「読書感想文を通して、本を読んだら何か人間的に成長しなくてはならない、と思い込んでいる人もいるかもしれません。でも、読書はもっと軽薄に楽しんでいいもの。この講座で、読書と読書感想文に対するハードルを、ズコンと下げることができたらいいなと思います」

 今年は夏休みの最終盤、8月20日(土)にベテラン書店員・久田かおりさんと、<短時間でコツがわかる! 保護者のための読書感想文書き方講座>をオンラインで開催。進化する「読書感想文」の書き方メソッドに、ぜひご注目いただきたい。

額賀澪さん

ぬかがみお/
1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒。2015年、『屋上のウインドノーツ』で第22回松本清張賞を、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞。16年に『タスキメシ』が第62回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(高等学校部門)に選ばれる。著書に『競歩王』『世界の美しさを思い知れ』『弊社は買収されました!』『モノクロの夏に帰る』『読書感想文を苦しまずに書く!』(「電子図書館まなびライブラリー」で先行配信)など。

INFORMATION

【オンライン】
短時間でコツがわかる! 
保護者のための<駆け込み>読書感想文書き方講座

日時 2022年8月20日(土)18:00~19:30
※アーカイブ配信期間: 2022年8月31日(水)23:55まで
※アーカイブ配信用URLは8月23日(火)までにお送りします
場所 Zoomウェビナー配信【オンライン】
お申込み https://bunshun-allyomimono06.peatix.com

ご申し込みはこちら

金額 1,100円(税込)
主催 文藝春秋「オール讀物」編集部
問合せ ooru@bunshun.co.jp
公式HP https://www.bunshun.co.jp/mag/ooruyomimono/prize.html
プレゼント
  • 『赤毛のアン論』松本侑子・著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2024/11/20~2024/11/28
    賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様

    ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。

ページの先頭へ戻る