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“こんなの、見てしまっていいの? ” 益田ミリ新刊『ヒトミさんの恋』に歴代担当者の声

“こんなの、見てしまっていいの? ” 益田ミリ新刊『ヒトミさんの恋』に歴代担当者の声

『ヒトミさんの恋』(益田 ミリ)


ジャンル : #コミック・コミックエッセイ

『ヒトミさんの恋』(益田 ミリ)

「沢村さん家のこんな毎日」沢村さんちの一人娘・ヒトミさん(40)が14歳年下の後輩に恋をした、甘くて苦い大人のラブストーリー『ヒトミさんの恋』。本書をいち早く読んだ益田ミリさん歴代担当者の感想をご紹介します。


「沢村さん家」の連載担当だった新人編集者時代から約10年。

ヒトミさんの年齢に近づいて、ますます「分かる~!」と思うことが増えたと思っていたら、なんと、ヒトミさんに久しぶりの恋の予感? しかも、相手は14歳下……!? 
ちょっと裏切られたような気持ちになりつつ『ヒトミさんの恋』を読み始めたら、ここにもやっぱり、40歳のリアルが! ときめく瞬間と自分の年齢を意識する冷静さの間で揺れ動くヒトミさんの姿に共感しながら、胸が苦しくなりました。(30代・女性)


どんなに切ない恋でも、しないよりはするほうがいい。
ミリさんからヒトミさんへの優しい応援歌。
(50代・女性)


「いつか沢村さん家のご近所さんになりたい」
上京してからずっとマンション住まいをしている私の夢だ。沢村さん家の町内では、世間様を驚かせるような大事件は起こらない。けれど、「沢村さん家のこんな毎日」は、時に哲学書よりも深くて、どんな自己啓発本よりも元気をくれる。
「あるある!」と首がもげそうなほど頷いて、クスクス笑って、油断していると、不意にとてつもない感動に襲われるのだ。生きることの切なさ、二度と戻らない時の流れ……人生の真髄がここにあるじゃないか、といつも思ってしまう。
そんな沢村さん家の長女ヒトミさん40歳がひそかに恋をしていたなんて! しかも14歳も年下の職場の後輩に。正直言って、週刊文春の芸能人の不倫スクープより衝撃が大きい。沢村さん家の日常風景をほっこり眺めている間に、こんな恋が密かに進行していたのだ。
「え、あの時もうこんなことに?」
「そういうことだったの……!?」
ヒトミさんは、いつものやさしい笑みを浮かべながら、ミステリー小説のように鮮やかに私たちを騙してくれていた。いや、騙したんじゃなくて、ヒトミさんは単に「言わなかった」だけだ。
自分の中の小さな衝動や孤独を、いつも上手に飼い慣らしてきたヒトミさんが、恋などという野蛮なものに落ちてしまうとは。こんなにドキドキしたのはいつ以来だろう。ご近所さんの枠を飛び越えて、ヒトミさんの恋の行方を、固唾を呑んで見守ってしまった。(50代・女性)


「大人の恋ってこんなに不自由なの!?」と苦しく感じながらも、ページを捲る手が止まらない。加速する恋の最中でも、ふと冷静になってしまう。凄くリアルな大人の恋に、胸が締め付けられた。(20代・女性)


ドキドキしっぱなしで、そうしてちょっと切なくて。うわーーー!と叫んだり、うんうん……と頷きながら読んでいました。
いつも誌面で、ゆるーく生きていて、とても人思いな、オトナなヒトミさんばかりお見かけしていたからこそ、行ったり来たり、悩んでいる姿に、“こんなの、見てしまっていいの?”と思いつつ、とにかく目が離せませんでした。
ヒトミさんの恋。「こんな毎日」の中の大事な一ページを、皆さんもぜひ覗いてみてください。
(20代・男性)


シリーズ開始以来、色恋とは無縁と思われていたヒトミさんに、ついに恋のお相手が!? それだけでワクワク情報ではありませんか! そのうえ、恋のお相手の名前が「マカベくん」だなんて、「ミリさん、攻めてくるな~」と初っ端から度肝を抜かれました。ある一定の年代ならすぐにピンとくるでしょう。
そう、ヒトミさんが「ときめく」恋の相手の名前は、ラブコメ少女漫画の金字塔「ときめきトゥナイト」のヒーロー「真壁くん」と同じなのです。ミリさんも「ときめきトゥナイト」を愛読されていたのだと確信した瞬間です。「ときめきトゥナイト」に登場する「真壁くん」は、一匹狼的なちょっと不良の中学生。常にポーカーフェイスでクール。でも、実は母子家庭に育ち、女手一つで育ててくれている母親を悪い虫から守るためにボクシングを習っているという心やさしき少年なのです。漫画が連載されていた当時、『りぼん』を読んでいた少女たちの心を鷲掴みにした「昭和の真壁くん」が、「令和のマカベくん」としてどんな恋愛が展開されるのか、ハラハラドキドキしながら読めること間違いなしです。
「沢村さん家のこんな毎日」の連載を担当させていただいたのは、ちょうどコロナのパンデミック前からの2年間。打合せのときは、最近気になること、子ども時代の思い出、美容、健康、旅などさまざまな話題で盛り上がりました。そして、そのときさりげなく話題にのぼったことが、連載原稿に投影されていることも多く、そのたびにミリさんの洞察力、思考力に驚かされるのでした。シリーズを通して、若き日には考えもしなかったことをヒトミさんが思ったりする場面に、いつも心を揺さぶられる自分がいます。(50代・女性)


『ヒトミさんの恋』、面白かった!と朗らかに言えないほどぎゅぅぅぅ~となりました。
四十を過ぎてからのあんなことやこんなことが蘇り、わが身と引き比べ、こういう恋をしている時に一人暮らしなのと、家に帰れば「おとうさん、おかあさん」がいるのと、どっちが苦しいかな……などとも考えてしまいました。
「沢村さん家」で見かけてきた一コマ一コマの合間に、こんな時間が隠れていたんだ、と思うとよく知っていたつもりのヒトミさんが急に知らない顔を見せるようで、でも、リアルの人生も、本当はこういうふうに、知っているつもりで知らないことばっかり、だなぁ……と思いました。
ヒトミさんが、いつもの三人娘会でさえ何にも言わないところが、めちゃくちゃリアルで、「今回こそ言うか!?」「ほのめかすとか!?」と友達回が差し挟まる度に(しかも、その回をすでに読んでいるのに)我が事のようにハラハラしました。
心かき乱され、結句、ぎゅぅぅぅ~しか喋れない生物になる漫画でした!(40代・女性)


同棲中の彼氏をおいて、いますぐ実家に帰りたくなりました。ヒトミさん、家のすき焼きが一番美味しいよね。いくつになっても、好きな人と好きな家族と、好きな自分でいたい。ヒトミさんのように。(20代・女性)

単行本
ヒトミさんの恋
益田ミリ

定価:1,430円(税込)発売日:2023年08月28日

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  • 『赤毛のアン論』松本侑子・著

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