- 2024.10.24
- CREA
最高の友達とめちゃくちゃ楽しんだ思い出がドラマや絵日記に記録されてる。つづ井&藤間爽子に共通する思い
文=井口啓子
撮影=柴崎まどか
つづ井&藤間爽子対談 #2
出典 : #CREA
ジャンル :
#コミック・コミックエッセイ
「相撲が強い」というまさかの共通点で盛り上がった、ドラマ『つづ井さん』でつづ井さん役を演じる藤間爽子さんと、原作者・つづ井さん。
先週公開されたインタビューで、「キャスト・スタッフみんなで一緒になってめちゃくちゃ楽しんでます」と、撮影現場の楽しさを語ってくれた藤間さん。一方でつづ井さんも、このまたとない機会を「前世からの友」たちと存分に楽しんでいたそうです。
すごく愛を感じる企画だったので、安心してお任せしました
――つづ井さん的には自分の人生がドラマになったわけですが、不安や戸惑いはありませんでしたか?
つづ井 実はこれまでも実写ドラマ化やアニメ化の話は何度かいただいていたんですが、ずっとお断りしていたんです。やっぱり「つづ井さん」は自分の人生の日記なので、自分で書くぶんにはいいけれど、他人の手で再構築されて自分の記憶と違うものが混ざったら、何が本当かわからなくなって頭がおかしくなるかもって(笑)。
でも、今回のドラマはマンガの編集担当さんが「いいドラマになりそうだから、お話だけでも聞きませんか」と背中を押してくださって。私をずっと守ってくださっていた担当さんの関門をくぐり抜けたのなら……と話を聞いたら、すごく愛を感じる企画だったので、安心してお任せしました。
藤間 ドラマが決まったとき、「前世からの友」のみんなからは、どんな反応が返ってきたんですか?
つづ井 まず「前世からの友」のLINEグループで「ドラマ化のお話がきとるらしいんやけど、どう思う?」って話をしました。「つづ井さん」は私の絵日記ではあるけど、同時に5人の思い出の話でもある。だから誰かひとりでも嫌やったら断るから、グループLINEで言いづらかったら個人LINEで送ってって。
藤間 わー、優しい(涙)。
つづ井 でも、みんな「いいじゃん最高!」っておもしろがってくれたので、私もこの祭りを逃さないぞ!って前向きになれました。
藤間 本当になかなかない、素敵な関係ですよね。私自身、こんな素敵な世界に関わらせていただけて光栄だなって改めて感じました。あと、つづ井さんたちの「なんでもおもしろがっちゃう精神」は、演じていてもすごいなと感動した部分で、だからこそ、じゃあこっちもおもしろがろう!って刺激を貰いました。
つづ井さん描き下ろしイラストがドラマに登場
――今回、ドラマに登場する小道具のイラストをつづ井さんが描き下ろすなど、原作の枠を超えたコラボレーションも実現しましたね。
つづ井 コロナ禍にリモート夏祭りを開催したとき、オカザキさんが太陽の塔みたいなオブジェを作ってきて。それがあまりに強烈だったので、後日そのオブジェの前に我々5人が佇んでるイラストを私が記念に描いたんです。そのエピソードがドラマにも登場するので、同じイラストを顔や衣装をドラマのキャストに寄せて描いてくださいってお話をいただいて、それはおもしろい!って(笑)。
藤間 マンガではつづ井さんが一番身長が高いんですけど、ドラマver.ではみんなの中で私が一番身長が低いのでつづ井さんが一番ちっちゃくなってる(笑)。あと、ゾフ田の「誕生日じゃない日」を祝う会でMちゃんがフェルトで作ったゾフ田の顔の見本として、つづ井さんが本物を送って下さったんですよね。こんなお宝を素手で触ってもいいんですか!?ってドキドキしつつも、わ、実在するんだーって(笑)。つづ井さんたちの存在が一気に身近になったし、一緒にドラマ版「つづ井さん」を作ってる感はすごくありました。
つづ井 私も初めてのことだったので、どこまで出しゃばっていいのか迷う部分があったんです。でも、脚本を細かくチェックさせてくださったり、オープンな雰囲気で一緒に楽しむ距離感を作っていただけたので、めちゃくちゃありがたかったですね。
友達が汗かきながらすごいスピードで喋ってる姿にジーンとなる(笑)
――せっかくなので、お互い訊いてみたいことはありますか?
つづ井 じゃあ、オタクとしてなにかを推したことはありますか?
藤間 推した経験はあまりなくて。唯一、中学の頃にK-POPアイドルにハマって、うちわを作ってコンサートに行ったりしたことはあります。
つづ井 うちわを作ってる時点で充分オタクだと思います(笑)。
藤間 そのとき、友達とうちわを作ったのがすごく楽しかったんですね、今思えば、アイドルが好きという以上に友達とシェアする時間が楽しかったんだと思います。
つづ井 すごくわかります。オタクが5人集まるとジャンルもバラバラだったりするけど、お互いの好きなものをシェアしたり、プレゼンし合う時間が楽しいんです。
藤間 わかるー。
つづ井 友達が好きなものについて語ってるところを見るのも楽しいですよね。汗かきながらすごいスピードで喋ってる姿にジーンとなる(笑)。
おもしろいことって自分たちでいくらでも作れる
藤間 じゃあ、私からも訊いていいですか。直近で「前世からの友」の5人でしたことは?
つづ井 最近はみんな仕事が忙しくなってきて、全員で集まったのは去年のことになっちゃうんですが、友達になって10年の節目だったので写真館で記念撮影をしました(スマホの写真を見せながら)。
藤間 あ、これ絵日記でも描いてましたよね。なんかアイドルみたい! めっちゃいい写真ですね。
つづ井 橘がグッズを作るのに解像度の高い写真を欲しがってたのもあって。あの人はなんでもすぐグッズにしたがる(笑)。
藤間 いろんなパターンがあって楽しい! イベントがなくても、こういう写真を撮るっていいですよね。つづ井さんたちを見ているとおもしろいことって自分たちでいくらでも作れるんだなって気付かされます。
これってうちらの楽しい夏の思い出の記録じゃん!
――ドラマの中で特に注目して見て欲しいシーンはあります?
藤間 えー、絞れません!
つづ井 チャイナドレスパーティーの回は、すごく楽しかったという噂を聞いたので気になりますね。
藤間 あー、めちゃくちゃ楽しかったです!
つづ井 日常劇のはずなのに、いろんな変な格好をさせてしまって(笑)。
藤間 いえいえ。いい意味でコスプレ大会みたいな気持ちで、毎日新鮮で楽しかったです。本当に仕事をしている感覚がなくて、先日もMちゃん役の桜井玲香ちゃんと「ただただ楽しい、これってうちらの楽しい夏の思い出の記録じゃん!」って話してたんです。私的には今年30歳になって、20歳のときは記念写真を撮らなかったので、このドラマが30歳の成人写真みたいな気持ちでいます。
つづ井 うれしいー。私も絵日記が商業化されて、たくさんの人に読んでもらえて、さらに今回ドラマにしていただいて……。本当にありがたいんですけど、自分としてはただただ楽しかったことの記録なんです。今も基本的には自分が楽しかったなーって思い返すために描いているので、そこがリンクしているのは本当にうれしい。藤間さんたちが本気で楽しんでる姿はドラマを見る方にも絶対伝わると思うし、私も見たら絶対泣いちゃうと思う(笑)。
ドラマ版&リアル版「前世からの友」が集合!?
――ドラマの放送にあわせて、何か「企画」は予定してますか?
つづ井 プロデューサーさんから初回放送の映像を事前にお渡ししましょうか?と言われたんですが、せっかくだから「前世からの友」のみんなで集まって見たいなと。全国で最初に放送されるのが大阪みたいなので、大阪で集合してリアルタイムで見ようと計画しています。
藤間 うわー、ぜひ「前世からの友」のみんなで見て欲しいです。
つづ井 久しぶりに5人集合して、我々がドラマを見て盛り上がっている様子を記録として残しておきたいと考えています(笑)。
藤間 おもしろすぎる~。どうせなら、10人で会いましょうよ。で、相撲トーナメントをやりましょう!
つづ井 わ、やりたい~!!
藤間 ドラマ版とリアル版「前世からの友」、どっちが強い!?ってね。
つづ井(つづい)
元気で楽しそうな姿が評判を呼んでいる。2014年10月からTwitter(現・X)で公開を始めた絵日記が話題を集める。2017年、デビュー作『腐女子のつづ井さん』が「第20回文化庁メディア芸術祭」推薦作品に選出。2019年『裸一貫!つづ井さん』が「第3回マンガ新聞大賞」大賞受賞。X:@wacchoichoi
藤間爽子(ふじま・さわこ)
1994年、東京都生まれ。2017年、連続テレビ小説「ひよっこ」でデビュー。主な出演作にTBS系日曜劇場「マイファミリー」、連続テレビ小説「ちむどんどん」、フジテレビ系木曜劇場「silent」など。俳優としての活動のほか、日本舞踊家としても活躍しており、紫派藤間流三代目家元・藤間紫の名も持つ。
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