- 2020.05.12
- 書評
オタク最強! の生きざまを描き、「女子の呪いをとく力」を持った超ハッピーなエッセイコミック
文:アルテイシア (作家)
『まるごと 腐女子のつづ井さん』(つづ井)
出典 : #文春文庫
ジャンル :
#コミック・コミックエッセイ
このたび『腐女子のつづ井さん』文庫版の解説を書くことになった。その依頼メールを受け取った私は「マジか…メッチャ嬉しい…」と涙で目を潤ませた。
花粉症と涙もろさが加速する私は44歳の作家であり、以前からつづ井さんの漫画のファンである。つづ井さんのLINEスタンプもゴリゴリに使っている。
そういうファンは私の周りに大勢いて、拙者アルテイシアの読者が集まったオフ会で「つづ井さんの漫画、好きな人~?」と聞いたら、ほぼ全員が挙手していた。この割合でいうと、シリーズ累計90億部ぐらい売れているのだろう。メッチャ羨ましい。
つづ井さんはなぜこんなに愛されるのか? その魅力を語り尽くすにはオタクの早口でも三日三晩かかるが、まずは「理屈抜きの面白さ」が挙げられるだろう。
つづ井さんの漫画は何度読み返しても爆笑してしまう。たとえばイヤホンを鼻の穴にさして、BLのCDを再生する場面。「…ほら…ごらん…君のここ、フフッ、もうこんなになってるよ」とイケメンの声を響かせるつづ井さんの表情、それを無言でスマホで撮影するMちゃん。
この場面に大笑いしながら、私の脳内にも声が響いた。「やるっきゃないじゃん‼」
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