2025年10月18日、東京・立川で予選会が行われ出場校20校が確定した、第102回『箱根駅伝』。日本のお正月の風物詩である、2日間に及ぶ217.1kmのレースへの注目は、ますます高まるばかりです。
さらに池井戸潤さんが、どん底から勝利を目指す大学陸上競技部のランナーと監督、そして箱根の走りを生中継するテレビ局員たちそれぞれの熱意、プライド、駆け引き、思惑……予測不可能なドラマを臨場感たっぷりに描いた『俺たちの箱根駅伝』には、2024年4月の刊行から現在まで、「胸が熱くなる」「本を読んでこんなに泣いたのは20年ぶり」と感動の声が続々と寄せられてきました。
作者自身も「もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」と振り返る、渾身の本作を原作に、1987年以来、箱根駅伝を中継し続けてきた日本テレビが2026年ドラマ化することが決定。2026年1月の箱根駅伝本番とともに、関東学生陸上競技連盟の全面協力を得た、前人未踏の映像プロジェクト『俺たちの箱根駅伝』にぜひご注目ください!

【原作:池井戸潤さんコメント】
『箱根駅伝』の中継ポイントは地名で呼ばれるのに、なぜ「小涌園前」だけが地名ではなく施設名で呼ばれるのか? こんな小さな疑問が、上下巻に及ぶ膨大なストーリーと人間ドラマに発展するとは思いませんでした。
ランナーとして、またそれを支える側に回って「箱根」に賭ける学生たちの情熱、タスキへの思い。その映像をリアルに届けようと奮闘するテレビマンたちの執念。いかにエンタメとはいえ、迂闊に手を出せない真剣勝負をどう小説に落とし込むのか――。
書きたいと思ってから、実際に書き上げるまで、気がつけば何年もの月日が流れていました。
学生ランナーはもとより、『箱根駅伝』に関わる全ての人達へのリスペクトを胸に、彼らに負けない熱量をもってひたすら書いた、まさに渾身の一作です。視聴者の皆さん、そして読者の皆さんも、ひとりのランナーとなってタスキを繋ぐ友情と信頼、そして意地と執念がぶつかり合う全十区、217.1キロを駆け抜けてください。もう二度と、こんな小説は書けないでしょう。
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撮影・国府田利光 池井戸潤(いけいど・じゅん)プロフィール
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を、『下町ロケット』で直木賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』ほか)、「下町ロケット」シリーズ、『シャイロックの子供たち』『空飛ぶタイヤ』『陸王』『民王』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『ノーサイド・ゲーム』『七つの会議』『アキラとあきら』『BT’63』『かばん屋の相続』『ハヤブサ消防団』などがある。
【ドラマ『俺たちの箱根駅伝』イントロダクション】
これは、一度は敗れた者たちの物語――
日本のお正月の風物詩でもある東京箱根間往復大学駅伝競走、通称『箱根駅伝』。沿道で、テレビの前で、多くの人が、仲間にタスキをつなごうと死力を尽くす若者達の走りに心を揺さぶられ、2日間の激闘に胸を熱くする。
そんな箱根駅伝を、国民的作家池井戸潤が、十年余の歳月と情熱のすべてを注いで描き「もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」とまで語る、一度は敗れた者たちの熱き青春群像劇『俺たちの箱根駅伝』がドラマ化。
2年連続で箱根駅伝本選出場を逃した古豪・明誠学院大学。箱根駅伝に出場するには、まずは10月に行われる予選会を突破しなければならない。明誠学院は、果たして箱根路を走ることはできるのか。
また中継を担うテレビ局側でも不測の事態が起きていた。
幾多の名作を世に送り出し、常に時代の話題をさらってきた池井戸の渾身の一作を1987年以来、箱根駅伝を生中継し続けてきた日本テレビが、主催・関東学生陸上競技連盟の全面協力を得て贈る、前人未踏の映像プロジェクト。
逆境に立ち向かうすべての人へ。「寄せ集め」と呼ばれたチームが、箱根に託した夢の行方――敗北から始まる物語は、あなたの心を燃やし、希望のタスキを未来へとつなぐ。217.1km――青春とプライドをかけた、伝説のレースが今、ここに始まる。
【書誌情報】
『俺たちの箱根駅伝』 上・下
著者:池井戸潤
発売日:2024年4月24日
定価:上下巻各1,980円(税込)
判型:上下巻とも 四六判軽装並製カバー装
ISBN:上 978-4-16-391772-6 下 978-4-16-391773-3