累計100万部を超えるベストセラー『三千円の使いかた』をはじめ、お金や日常を題材にさまざまな作品を生み出してきた原田ひ香さん最新刊のテーマは、「台所」。世代も境遇もバラバラの5人の女性たちの前には、木曜深夜の30分ドラマ「台所のあるところ」がありました。
発売に先駆けて見本を読んでくださった全国の書店員さんからは、熱~い共感の声が殺到。その熱気を、余すことなくお伝えします!(第2回/全5回予定)
それぞれのままならなさを抱えた女性たち。彼女たちが日々を過ごすのは“明るいキッチン”ではなく、なんとなく湿っていて前日の夕餉の残り香のするような生活感のある“台所”なのがシンパシーを感じる。女性たちは…いえ、私たちは、生きているだけでうっすら誰かと繋がっていて、影響を与えている…。ままならない日々はすぐに好転することはないかもしれないけれど、私が生きていることがひょっとしたら誰かの癒しに繋がることがあるかもしれない、そう思えました。
くまざわ書店武蔵小金井北口店 小泉かな
5人の女性たちの日常は、それぞれに悩み多く、いつでもニコニコしていられる訳でもない。それでも食べるし食べさせる。共感しきり。腹の底からじわじわ、と力強い温かさが上がってくるような、物語だった。
有隣堂武蔵小杉東急スクエア店 木虎顕子
台所のない家は、おそらくないはず。それくらい「台所」は当たり前の存在であり、その数だけのドラマがある。世代も境遇もバラバラな女性たちですが、どの物語も我がことのように思えるものが多いのではないかと思いました。
一番最初の「ままならないキッチン、ままならない人生」の敦子さんの娘悠華さん。私は彼女と同じ経験をしました。一人暮らしを始めた時、母がつくってくれるスープが好きでつくってみたのです。こんな感じだったはず、と思っていざ食べてみたら違っていました。見た目は同じように見えるけど、何か足りない…。後日確認してみたら工程を一つとばしていて、それは「一手間」と呼ばれるものでした。そういうことに気がついた場所でもあります。それが何回かあり、その度に「私って、何にも分かってなかったんだな」と思わされました。それからは我流です。そうして自分の生きる場所になっていったと思います。今は1日の始まりと終わりの場所として毎日台所に立っています。
またドラマで繋がる関係というのもすごく分かります! 私はそれを朝の15分ドラマでやっています。色々な感想が飛び交って、顔もわからないのにちょっとした連帯感もある。なんとも不思議な関係です。
そしてドラマは終わっても彼女たちの人生はまだ続いていく。幸せばかりではなく、時にはほろ苦く残酷なことも待ち受けているはず。それはもしかしたら幸せよりも多いかもしれない。それでも皆生きていく。今日も台所に立つ。
明日も頑張ろう!
そんな気持ちにさせてくれる本でした。
カルコス各務原店 坂井由希子
「台所」という一見何気ない空間から広がる人それぞれの生活や思いは、少しの痛みを伴いつつもどこかあたたかみがあり、原田ひ香さんらしい柔らかな作品でした。
紀伊國屋書店札幌本店 関咲蘭
30分深夜ドラマを中心に、バラバラの女性たちにフォーカスした短編集とは、新しくて面白かったです。
台所は、家の中心であり軸足であり、自然といろんな思い出が詰まっていきますよね。特に既婚女性で食事に人生のウエイトを置いているひとにとっては特別で、ある意味プライベートゾーンだったりもします。あってあたりまえだけど、無くては困る。こだわる事も出来るけど、適当にすませることも出来る。人生そのものに感じます。自分の人生観を改めてみつめ、自分でも気付いていなかった心の声に耳を傾けられる素敵なお話ばかりでした。
須原屋ビーンズ武蔵浦和店 岩谷妙華
台所、キッチンって、主婦である以上、なんやかんやと家族や家庭の生活の中心であることは間違いない。誰しも完璧な台所ってないんじゃないかと思っている。私は、大きな冷蔵庫を置く予定が、台所の間取りの問題で置けなかったので、第一話そのもの。また、作業台にコンセントがあれば、もっとスムーズに料理が出来て、私の生活もスムーズだったかも……と、台所=自分の人生のようなんだなぁと実感することが出来た。ドラマ「台所のあるところ」の展開が、小説の登場人物同様に気になりつつ読んでおりました。実際にこのドラマを観ることができたら、きっと私もハッシュタグを付け、ポストしながら観ていたと思う。夜中に一息ついてドラマを観ることが日々の楽しみの1つで、皆と分かち合っている姿は現代の姿で、こういうリアルさはさすが原田ひ香さんだなぁと思いました。半殺しも大好物なので、名前が出てくるだけで嬉しかったです!
精文館書店豊明店 近藤綾子
自分の居場所は自分の気に入る形のものにしたい。でも実際にはお金や、大きさ、色んな問題があるのも事実だけど、それでも自分のいいとするものを基本に考えたい。家族の繋がりはキッチンにあるのかもしれない、料理が家族を繋ぐひとつのきっかけであるならそれを作るキッチンが家族をなすひとつの大きな要因なのかもしれない。
未来屋書店八戸店 中尾裕二
台所は、その人の人生そのもの。
どんなものを選び、何を誰のために作るのか、できた料理を誰と食べるのか…
日々のくらしがつまった大切な場所を、少しでも自分らしく、守っていきたいと思った。
紀伊國屋書店アリオ鳳店 吉原朋子
今日も家族のため、自分のため、台所に立つ。台所とは料理を作る人の想いのこもった空間であり、台所の数だけ物語があると思う。
この短編集の5人の主人公は全て私だった。
世代も境遇も違うのに全て私に思えた。
それだけ台所と深く関わってきたのだなあ、と台所に思いを馳せながら読みました。
くまざわ書店新潟西店 大谷純子
シンプルだけど大切なことについて私達に考えさせる原田さんの手腕が半端ない。
TSUTAYABOOKSTOREそよら成田ニュータウン 真田恵一
台所という場所から始まる物語に共感したり、胸がギュッとしたり……かなり気持ちを揺さぶられました。
出会い、別れ、結婚、離婚……人生の節目の思い出にはいつも台所があったような気がします。
家族と離れ、初めての一人暮らし。
寂しさもあったけど、好きなものを好きなだけ作れる事が嬉しくて、台所でウキウキした思い出。
恋人との同棲の時は、いつも1人分だった料理を2人分作る事に戸惑った思い出。
恋人と別れた時。
好きな人と一緒に台所に立って楽しかった思い出に浸りながら、一人泣きながら台所でご飯を作った思い出。
こうやって振り返ると、台所は人生の軸となる場所なのかもしれません。
そんな大切な思い出がいっぱい詰まった台所がテーマの小説、『#台所のあるところ』。
ぜひ皆さまに読んでほしいと思います。
読み終わったあとは、台所に立ちたくなる事間違いなし!
鯛文庫 後藤紀子
息つく暇もない子育て時代を思い出しました。
あの頃は本を読む余裕もなかった。
30分の深夜ドラマ「台所のあるところ」を一緒に見ているようだった。
ままならない事ばかり、だけど台所は楽しい事、面倒だと思う事、疲れて帰ってきても待っててくれるように、さまざまな感情を出せる大切な場所だと思います。
我が家は家族全員帰ったらまず冷蔵庫を開けます。
未来屋書店武蔵狭山店 柴田路子
それぞれの女性の台所とその生き方が、自分と重なるものもそうでないものも含めて深く感じ入りました。台所で食事を作って食べること、それがたとえ丁寧なメニューでなくても生きることそのものであると感じます。今まで言葉にならなかったようなことが言語化されているのを感じ、ひ香さんの奥深さと緻密さに感動しました。おもしろかったです。
ジュンク堂書店名古屋店 長尾香依子
同じドラマをみた様々な登場人物が、こちらも連続ドラマの主人公になるような共感が得られるような日常を過ごす作品でした。「連続ドラマinドラマ」この言葉がぴったりだと思いました。誰もが、この登場人物の中の誰かに共感でき、たくさんの人に響くと思います。
未来屋書店名西店 福井由美子
家庭の中での女性の居場所として象徴的な台所。家族との家から解き放たれ、自分の家としての台所を確立しようとする彼女たちの新たな人生への喜びがひしと伝わってきました。
その中でまだしばらくは子どもから解放されそうにない「毎日、揚げもの」の花絵の「ずっと、この子と気が合わなかった」という気づきと涙にぐっときました。それでもその忘れようとした気づきが、花絵の心を少し解放することに繋がると信じたいと思います。
ジュンク堂書店旭川店 松村智子
家族が食べる料理を毎日作るけれど、一人の時なら自分が食べたいものを作りたい。誰のためでもなく、自分のために時間を使いたい。
一時間のドラマを見る余裕はなくても、30分ドラマなら気軽に見られる。深夜 、SNS を見ながら知らない誰かとつながって同じ話題で盛り上がるのは自由で楽しい。同じ意見の人がいるとほっとする。
ままなならない日々、先が見えない人生。それでも自分で選んだものを大事にして生きていきたいと思った。
SuperKaBoS鯖江店 峯森和代
台所事情が同じすぎて親近感~!コンロで油切りするする!ひ香さんの小説は、こういう瞬間がたっぷり詰まっていて、悩みに寄り添ってくれるから好きです。
台所にはいつも母がいて、いつのまにか自分も母になり、よく台所にいる。台所ってごはんを作るだけの場所じゃなくて、大切な思い出の保管場所でもあるのかもしれない。
そう思うと、ちょっとだけ台所に立つ億劫さがなくなった気がする!自分を大切にしていい。台所で過ごす慌ただしい時間から、そんなことを思うようになるなんて、ひ香さんの小説はやっぱり魔法の言葉だらけです。
S.Y.
プルーフをありがとうございました。
登場人物の皆さんと一緒に劇中ドラマを楽しみながら読みすすめました。どの女性達とも生活も環境も違うのに「わかるわあ」と感じる部分がたくさんありました。皆さんのその後も最終話でいろいろ回収されていて良かったです。
私にとって台所はほぼ毎日めんどくさいな、、と思いながら立ち続ける場所。そんな過ごし方はもったいないなと思いました。リフォームや冷蔵庫の買い替えは難しいけど、フライパンやお鍋をちょっとこだわったものに新調したりくらいなら気分を変えるのにいいかもしれないな。
原田ひ香さんのどんなささやかな人生にもそっと寄り添ってくれるようなそんなお話が大好きです。
紀伊國屋書店ゆめタウン博多店 高橋まゆみ
タイトルに騙されるなかれ。
おいしそうな食べ物がいっぱい出てくる、ほんわかした話じゃないですよ!
深夜ドラマ「台所のあるところ」を視聴する5人の女性の理不尽でままならない人生の物語。
人は誰もが知らず理不尽な目に遭っているものなのかも。
嫌になっちゃうような日々。
それでも生きていく私たち。
人や物との出会いに背中を押され、そんな日常から一歩を踏み出す。
じんわり力をくれる。
そんな物語。
東京旭屋書店新越谷店 猪股宏美
彼女たちとは境遇も生活形態も違うけれど気づけばギュッと拳を握りながらただひたすら共感している自分がいました。どんな家族でも台所ってやっぱり特別で素直な自分になれる場所なんだろうなと思います。
岩瀬書店富久山店 吉田彩乃
もう何十年も母親をしてきたのに、台所にはあまり思い入れやこだわりがないんだな自分は、と気づきました。
ただそんな出来損ない主婦だった私は大例外で、大半のひとには台所って人生の大きな部分を占めるものなのでしょう。
深夜ドラマを観てすぐにSNSで他のひとの感想などを検索するというのはいかにもいまの時代らしく、興味深く感じました。
自分をしっかりともっていたいとは思うものの、現実はあれやこれやに影響され流されてしまう、でも美味しいご飯をつくって食べる暮らしが根っこにあるならひとは強いのかなとも思いました。
TSUTAYA弘前店 唐牛夏子








悩みや不満があろうとも台所でごはんを作って食べる。生きていくために。こうして日常生活を地道に送っていくと、トンネルから抜け出るようにふっきれる時がくるのではないか。と希望が持てました。
未来屋書店大井店 毛籠昭美