- 2013.04.26
- 書評
月刊「文藝春秋」の歴代編集長たちも
太鼓判! 最新、最強の投資講座!!
文:細野 真宏 (経済解説者)
「『ONE PIECE』と『相棒』でわかる!
細野真宏の世界一わかりやすい投資講座」 (細野真宏 著)
ジャンル :
#政治・経済・ビジネス
ようやく完成した、というのが、まずは正直な感想です。そもそもこの本は6年前からずっと考え続けていました。ただ、私の性格に変に真面目な部分があって、「商品」ではなく「作品」と呼べる水準にならない限り出版しない、というルールがあります。読者との信頼関係こそが、本を作り出す意義だからです。そのため、どうしても、数年に1冊というような刊行ペースになってしまっています。
さて、この本は「投資講座」ですが、今ほど、この投資講座が必要な時期はない、と思っています。
この数年間、日本を見ていて感じ続けていたのは、なぜこんなに「閉塞感」に包まれているのだろうか、ということでした。例えば株価にしても、異常な水準で「放置」されていることに、誰一人、気付いていないような状況でした。
そもそも日本は、そんなにダメな国なのでしょうか?
少なくとも私にはそうは思えません。今は「アベノミクス」といった言葉で株価が戻り始めていますが、これは、「当然すぎる状況」なのです。なぜならここ数年、多くの日本企業は、一時的にはリーマンショックなどの経済危機があっても着実に業績を伸ばし続けていたからです。その企業の実態に、ようやく、冷静に気付く人が出て、日本の株価が本来の水準に戻りつつあるだけなのです。
ここで重要なのは、まだ「その過程」なので、今からでも全く遅くない、ということです。そこの具体的な考え方については、会社の具体的な例を示しながら丁寧に解説しているので、そこの解説を見ていただけると分かってもらえると思います。
ただ、その「会社の具体例」を見る際に、PBR、PER、などといった専門用語を知らないと無理なのでは、と思われる方もいるでしょう。結論から言いますと、その通りです。でも、心配は一切不要です!
この本がようやく完成できたのは、これらの専門用語を中学生にでも理解できるくらい簡単に説明できたことが大きな理由としてあるからです。
ただ、「投資」というと、「難しいのでは」と身構えてしまう人もいるでしょうから、今回の本では、非常に身近なマンガやドラマなどの「日常にある」ものを題材にしながら、自然と投資の世界に溶け込めるように作り上げました。そのため、投資に関する知識は、全くない人でも問題なく読み進めることができます。でも、これも私の本の特徴ですが、読者が気付かないくらいに少しずつレベルを上げていっているので、読み終えた時には、ニュースの真相が見えてくるだけでなく、専門家のコメントすら薄っぺらく感じる自分を発見することにもなるでしょう。
この本で一番心がけたことが、投資のことを知りながら、ニュースなどに接する際の「思考力を磨く力をつける」ということでした。例えばニュースで話題の「アベノミクス」は、この本を初めから読んで、最後でようやくその本当の意味が分かるようになるはずです。その意味では、ミステリー小説のような作りになっています。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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