ポイント3 (か) 課題を中心に評価は厳しく書く
「サッカーノート」に一貫しているのは、「自分を過大評価しない」ということだ。どんなにいいプレーをしても喜びを書くことはしない。新聞や雑誌のスクラップ記事も同じ。自分に批判的なものばかりを貼っている。
中3の頃、驕りによりレギュラーの座を年下に奪われたことがある。その経験を繰り返したくない。そしてサッカー選手を続けるためにも向上心を失いたくない。今に満足したらそこで終わり。だからこそ、自分に対する評価は厳しく、課題中心に書いている。
ポイント4 (あ) 頭の中のイメージを図式化する
「サッカーノート」には言葉だけでなく、試合中に有効だったシーンや、フリーキックの場面などがイラストで描かれている。それは、頭の中に完成形のイメージがないと体が動かないからだという。Jリーグ2年目、こういうループシュートが決まるといいなと思うイメージを描いておいたら、開幕すぐの試合で現実となった。また、一つのイラストから、その先の試合を想像し、どう戦うかを考えることが、中村選手の楽しみの一つになっているという。
ポイント5 (の) ノートが人格を育てる
08年のノートには、アメリカの哲学者、ウィリアム・ジェームズの言葉が書かれている。
「心が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる」
中村選手がノートを書き始めたのは、強いメンタリティを養うため。彼は言う。「静かな空間でひとりノートに向き合う時間、それが僕の人格を育ててきたのかもしれない」。
心を変えるためにノートを書き始め、それが行動を変えていく。それが習慣となり、結果、人格を育ててくれる。ノートを書き続けるということは、人格を育てるということにつながっていくのだ。