書評

中村俊輔「サッカーノート」七つの法則と東大ノート

文: 太田 あや

『夢をかなえるサッカーノート』 (中村俊輔 著)

ポイント3 (か) 課題を中心に評価は厳しく書く

 「サッカーノート」に一貫しているのは、「自分を過大評価しない」ということだ。どんなにいいプレーをしても喜びを書くことはしない。新聞や雑誌のスクラップ記事も同じ。自分に批判的なものばかりを貼っている。

 中3の頃、驕りによりレギュラーの座を年下に奪われたことがある。その経験を繰り返したくない。そしてサッカー選手を続けるためにも向上心を失いたくない。今に満足したらそこで終わり。だからこそ、自分に対する評価は厳しく、課題中心に書いている。

ポイント4 (あ) 頭の中のイメージを図式化する

 「サッカーノート」には言葉だけでなく、試合中に有効だったシーンや、フリーキックの場面などがイラストで描かれている。それは、頭の中に完成形のイメージがないと体が動かないからだという。Jリーグ2年目、こういうループシュートが決まるといいなと思うイメージを描いておいたら、開幕すぐの試合で現実となった。また、一つのイラストから、その先の試合を想像し、どう戦うかを考えることが、中村選手の楽しみの一つになっているという。

ポイント5 (の) ノートが人格を育てる

 08年のノートには、アメリカの哲学者、ウィリアム・ジェームズの言葉が書かれている。

「心が変われば行動が変わる

 行動が変われば習慣が変わる

 習慣が変われば人格が変わる

 人格が変われば運命が変わる」

 中村選手がノートを書き始めたのは、強いメンタリティを養うため。彼は言う。「静かな空間でひとりノートに向き合う時間、それが僕の人格を育ててきたのかもしれない」。

 心を変えるためにノートを書き始め、それが行動を変えていく。それが習慣となり、結果、人格を育ててくれる。ノートを書き続けるということは、人格を育てるということにつながっていくのだ。

夢をかなえるサッカーノート
中村 俊輔・著

定価:1500円(税込) 発売日:2009年09月05日

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